湧永「機能性」事業を本格展開 (2021.7.8)

湧永合体㊤ 湧永合体㊦

【写真=疲労感軽減や肌の保湿などを訴求する機能性表示食品のサプリメント、飲料の8品を揃える】

主力のニンニクも届出準備へ
 熟成ニンニク抽出液を用いた各種製品を手掛ける湧永製薬(東京都新宿区)が、機能性表示食品事業を本格始動させる。これまでに疲労感軽減やアイケアなど8品の機能性表示食品のサプリメントと飲料を市場投入。年内を目途に新たに2品の届出を完了させる見通しだ。今後の機能性表示食品事業や、米国を中心にグローバルで展開する「キョーリックブランド」の今後の方向性について同社幹部に話を聞いた。

 2018年に疲労感を軽減することを訴求する第1弾の機能性表示食品のサプリメントを投入した湧永製薬。その後、ヒアルロン酸やDHA・EPAなどを機能性関与成分に、肌の水分保持、中性脂肪減少などをヘルスクレームとする機能性表示食品の製品数を増やしている。今年6月には、筋力ケアを訴求する8品目の販売を開始した。

 「機能性表示食品を含むキョーリックブランドの事業化については、まずは10品ラインナップすることを計画していました。年内にもう2品の投入を予定しています。詳細は明かせませんが、すでに届出書類も提出し、年内には公開されるものと見込んでいます。10品揃えば、配荷先のドラッグストアや食品スーパーにおいて商品棚での展開も色々考えられます。今後、さらに商品を増やし、販売面も強化し、機能性表示食品に事業規模を広げていきます」

 「機能性表示食品はドラッグストアや食品スーパー向けのキョーリックブランドと、相談薬局向けの2方向で進めています。ドラッグストアへの配荷については、特に地方で地元密着で数十店展開しているような店舗を中心に展開しています。今後は新規チャネルの開拓も進めていく予定です。機能性をしっかり伝えることができる製品として、継続する消費者の方も増えており、1品目の販売から3年が経過していますが、最初に販売した還元型コエンザイムQ10を用いた疲労感軽減や、イチョウ葉エキスを用いた記憶力維持などをヘルスクレームとする機能性表示食品のリピートが高いです」

 同社がこれまで販売した機能性表示食品の機能性関与成分は、コエンザイムQ10やGABAなど他社原材料によるもの。同社主力の「キヨーレオピン」(第3類医薬品)に用いる熟成ニンニク抽出液での届出はいまだない。同抽出液での機能性表示食品の展開はあるのか。

 「当社では熟成ニンニク抽出液で様々な学術データを持っています。高血圧や動脈硬化、疲労に対する作用など多岐にわたる研究成果を挙げています。そのなかには免疫に関わる研究もあります。機能性が広範囲なため、ヘルスクレームを絞り切ることが難しい面もありますが、今後、過去の研究データなどを精査の上、届出できるよう準備を進めていきます」

 湧永製薬は、米国を中心に世界50カ国以上にサプリメントの販売実績がある。昨年はそのグローバル展開が大きく伸長し、海外のサプリメント事業の売上は前年比18%増と伸長。なかでも、熟成ニンニク抽出液を配合した「イミューン」を訴求するサプリメントの売上が77%増と大きく伸びた。

 「今年に入っての具体的な数字は出ていませんが、米国を中心に免疫関連のサプリメントが引き続き伸長しています。米国の製造拠点では、増産体制を整え、需要に対応しています。今後さらに需要が増していけば、製造ライン増設なども検討していく必要があるかもしれません」

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