エクオールへの代謝率高く イソフラボンアグリコン(2014.12.11)

エクオール

 アグリコン型イソフラボンの体内でのエクオールへの代謝量は配糖体型イソフラボンと比べて2倍以上多く、エクオールを直接摂取する場合と比べても尿中排泄量に差はほとんど認められない──含有食品が発売されたことで注目度が高まっているエクオールに関するこのような動物試験結果を、武庫川女子大学薬学部とニチモウバイオティックス㈱が第50回高血圧関連疾患モデル学会(5~6日、和歌山)で発表した。

 エクオールは、イソフラボンの一種であるダイゼインの代謝物。大豆食品中に含まれるイソフラボンは大半が配糖体だが、腸内で糖が外れてアグリコン型となり、その後エクオールに代謝される。

 一方、それに代謝されるには、エクオール産生菌という腸内細菌の存在がカギと言われ、代謝できる人の割合も日本人では2人に1人などとされる。しかし、同大らが今回突き止めた知見からは、アグリコン型に変換されることもやはり重要であり、アグリコン型イソフラボンを直接摂取することで、通常の腸内細菌でも効率的にエクオールに代謝されることが示唆されたといえそうだ。

 この試験で使用されたアグリコン型イソフラボンは、同社が製造販売する発酵大豆胚芽物「アグリマックス」。08年、米ハーバード大学医学部付属医療センターと共同実施した大規模RCTでも、用量依存的に体内でエクオールに代謝されることが確認されていた。

 発表によれば、試験ではラット15匹を3群に分け、大豆胚芽由来配糖体イソフラボン、アグリコン型大豆イソフラボン、エクオールのそれぞれを単回経口投与し24時間の尿中エクオール排泄量を測定。またエクオール群以外のラットは、エクオール産生増加作用のあるラクトビオン酸を3%含有させた飼料で3週間飼育したという。

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