消費者庁は4日、機能性関与成分が明確でない食品(エキス)を機能性表示食品制度の対象に追加するための要件案を「機能性関与成分の取扱い等に関する検討会」の第9回会合で示した。委員から多くの意見が挙がったものの、大枠としては了承の方向で議論が進んだ。だが、会合終了予定時刻のおよそ10分前に2名の委員が追加そのものに反対して「ちゃぶ台返し」。座長も再度議論が必要と判断したため、報告書の取りまとめ期限が11月初旬に迫るなか、会合予備日としていた今月18日に再び議論する事態になった。
最初に反対したのは東京大学大学院教授の佐々木敏委員。「時期尚早だ」とした。これに同意したのは消費生活コンサルタントの森田満樹委員。今回の検討会で、エキスを制度に加える方策を積極的に提案してきた国立医薬品食品衛生研究所の合田幸広委員は、「ここでまた元に戻ってしまうと、話がずっとまとまらない」と嘆いた。
またこの日の会合では、前回の会合で結論を得られなかったビタミン・ミネラルの取り扱いについても議論する予定だったが、議題を変える素振りさえみせない座長の不可解な議事進行もあり、一切触れられないまま終わった。ビタミン・ミネラルについても18日の追加会合で議論する。
消費者庁は、いずれの取り扱いについてもこの日の会合で結論を得る心づもりを固めていたようだ。「予備日は使わないと言われていた」と委員に近い複数の関係者が話す。突然の反対意見は同庁にとっても想定外だったものとみられる。
佐々木委員の反対意見に対し、合田委員は、機能性関与成分が明確ではなくても、「ミクスチャー」(抽出物)として機能性や安全性に関するエビデンスを持つものがあり、それらを一定の品質管理の下で「消費者に還元できる」制度にする必要があると主張した。