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　酵素処理アスパラガス抽出物に含まれる有効成分を機能性関与成分にした機能性表示食品の届出が6日公開された。届出成分としては過去に例がなく、機能性についても、「休日明けの心の健康の維持をサポートします」などとして従来なかった睡眠サポート作用を訴求する。届出表示と健康維持・増進との関係性が議論になったとみられるが、届出書類にはその点を解説する補足説明が付け加えられた。

　届出者は、10商品目の届出となる大塚製薬。商品名は「賢者の快眠 睡眠リズムサポート」で、食品分類はサプリメント。製造はシェフコ栃木工場、バイホロン大野沢事業所の2工場で行う。

　届出表示は比較的長文。就寝・起床リズムを整えることで、「睡眠の質を高めること（スッキリとした目覚め感）」や「休日明け（月曜日）の心の健康（ 楽しく、おだやかな気持ち）の維持」をサポートするとともに、「健康に良い睡眠の維持を助ける（希望する時間より早く目覚めてしまうことを和らげる）」──などとして届け出た。睡眠の質に絡めながら休日明けに限定したメンタルに及ぼす働きまで訴求する意欲的な表示を消費者庁は今回、認めたことになる。

　同品の届出では、科学的根拠に関する届出書類に「補足説明」として「表示しようとする機能性が健康の維持・増進に役立つと考える理由」を記載。それによると、休み明けの気分が優れなかったりする「ブルーマンデー」の原因の一つに睡眠タイミングの乱れなどといった「社会的ジェットラグ」（社会的時差ぼけ）があり、それと肥満や抑うつなどといった健康問題との関連性を示唆する報告もあることから、「現代社会に生きる日本国民の健康の維持・増進の観点からも無視できない問題」だという。

　届出表示の科学的根拠については、最終商品の臨床試験と、機能性関与成分の研究レビューを個別同時に届け出た。届出表示のうち「健康に良い睡眠――」の部分が研究レビューとなっている。

　酵素処理アスパラガス抽出物は「ＥＴＡＳ」（イータス）の名称でアミノアップ化学が製造販売しており、レビューには同社が関与した臨床試験論文も採用しているが、レビュー自体は大塚が独自に実施したもの。抗疲労作用なども示唆されているＥＴＡＳは、機能性関与成分としての市場普及も期待されている。ただ、少なくとも同素材の睡眠サポート作用に関しては当面、大塚が独占的に使用する可能性も無視できない。