エスエス製薬「機能性」参入か 睡眠サプリを届出 (2019.11.7)

04エスエス①

【写真届け出された商品表示見本(消費者庁データベースより)。販売開始予定日は2021年4月とされている。】 

 OTC医薬品製造販売のエスエス製薬が機能性表示食品市場に参入する可能性が出てきた。同社の主力ブランドの一つで、睡眠改善薬として知られる『ドリエル』の名称を掲げたサプリメントを発売する見通し。GABAを機能性関与成分とし、睡眠の質の向上に役立つ働きが報告されていることを訴求する。

 10月30日の届出情報更新で、エスエス製薬からの届出が公開された。同社の届出は初。ただ、届出資料によると販売開始予定日はかなり先で、「2021年4月1日」とされている。

 届け出た商品の名称は『ドリエル ナチュラルスリープ』。GABAを機能性関与成分とし、「眠りの深さ」「すっきりとした目覚め」といった「睡眠の質」の向上に役立つ機能を訴求するサプリメントだ。届出資料によると、GABAを製造販売するファーマフーズが実施したシステマティックレビューを届け出ている。

 『ドリエル』は、「寝つきが悪い」「眠りが浅い」といった「一時的な不眠」による症状緩和を効能効果とする第2類医薬品の睡眠改善薬。消費者認知度も高いとみられる。その名称を機能性表示食品の商品名に掲げる以上、同製品は今後、「医薬品と誤認される」と懸念の声が上がる可能性もありそうだ。

 ただ、そうした懸念に対する予防線が張られている。公開された届出資料によると、同製品は商品パッケージ裏面に「本品は、一時的な不眠症状(寝つきが悪い、眠りが浅い)を緩和する医薬品のドリエル又はドリエルEXではあません」と赤い文字で表示。パッケージなどを通じ、医薬品と誤認しないよう消費者に注意喚起していくようだ。

 GABAを機能性関与成分とする睡眠訴求の機能性表示食品のヘルスクレームをめぐっては昨年、睡眠改善薬の効能効果との部分一致をめぐるひと悶着が水面下で起こっていた。以降、新規の届出では「寝つき」の文言が通っていない。届出資料上の販売開始予定日はまだまだ先だが、訴求力は決して低くないと言える「寝つき」を謳えなくなった現状が、機能性表示食品「ドリエル」にとって吉と出るか、凶と出るか注目だ。



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