小野薬品工業、ヘルスケア食品事業に参入  新会社設立、4月から本格始動 「機能性」も展開へ(2021.2.4)


 医療用医薬品事業を展開する小野薬品工業(大阪市中央区)は1日、健康食品、サプリメント市場に参入すると発表した。健康食品や機能性表示食品事業を展開する100%出資子会社「小野薬品ヘルスケア」を今月5日付の予定で設立する。具体的な事業計画は、本格始動する4月以降に発表する予定だが、まずは、プロスタグランジンの脂質研究で培った研究資産を活用したサプリメントの開発を協業会社とともに進める方針だ。機能性表示食品の届出も進める。

 小野薬品工業は、がん免疫治療薬「オプジーボ」などを手掛ける製薬準大手。「オプジーボ」の普及などで事業規模を拡げ、この5年で売上高をほぼ倍増させている。同社がサプリメントなど食品分野を事業化するのは初めて。

 同社が1日に開催したアナリスト向け決算説明会の公開資料によると、機能性表示食品の届出に向けた準備は既に進めているもようだ。具体的な機能表示領域は明かしていないが、これまでの脂質研究を踏まえた機能性表示食品のサプリメントに言及している。ただ、届出までにはまだ時間がかかるもようで、「現在、2つの効能取得を目指して臨床試験を実施」しているとし、まずは一般健康食品として事業化をスタートさせるとみられる。

 新会社、小野薬品ヘルスケアの設立目的について同社は、超高齢化社会の進展を背景に「これまでの医療用医薬品の研究開発で培ってきた資産を最大限に生かし、ヘルスケア分野において健康食品・機能性表示食品事業を展開」していきたいとしている。

 新会社の社長には、新たなビジネスモデルを構築することを目的に、小野薬品工業が2019年に立ち上げたビジネスデザイン部の野田康成部長が務める。資本金は1000万円。

 新会社では、健康食品以外のヘルスケア分野におけるソリューション事業も展開していく考えだ。化粧品やスキンケア、スポーツニュートリション、OTC医薬品などの最終商品や、健康管理サービスなど、幅広い事業フィールドを想定しているという。

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