エンジニアリング会社が「機能性」参入 (2021.10.21)

04JFEトマト栽培写真①

JFEエンジ 年内目途に生鮮トマト
 環境・エネルギー分野などエンジニアリング事業を展開するJFEエンジニアリング(東京都千代田区)が機能性表示食品市場に参入する。グループ子会社を通じて、GABAを機能性関与成分にした生鮮トマトの販売を年内に開始する。同トマトを活用したサプリメント、化粧品など健康・美容商品の販売も手掛ける。同社がBtoC事業を開始するのは今回が初。2026年度までに、健康・美容食品の事業売上高10億円を目指す。

 JFEエンジの子会社で、スマートアグリシステムを採用した最先端の太陽光型植物工場を持つJファーム(札幌市中央区)で、GABAを高含有するトマトを栽培する。これまでも、温度や湿度、日射量、CO2、肥料などハウス内の環境を制御するなどして糖度の高いトマトを開発、14年から販売を始めている。

 JFEでは、独自の栽培方法で開発したトマトの成分を調べ、GABAを高含有していることを確認。差別化できるトマトとして機能性表示食品として届け出た。機能性の科学的根拠は機能性関与成分のGABAに関する研究レビューで評価した。

 生鮮トマトの名称は「ビーエイチトマト」。同品は、GABAを機能性関与成分に3つのヘルスクレームを訴求する生鮮トマト。同品のミニトマト6~11個の摂取で、「一時的な精神的ストレスや疲労感を緩和する」働きを表示する。また、同ミニトマト11~19個の摂取で、「睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)の向上に役立つ」「肌の弾力を維持し肌の健康を守るのを助ける」といった2つの機能を訴求する。20個入で販売価格は税別2000円。

 販売面については、同トマトをはじめとした健康・美容商品を販売する目的で今年5月に設立した、JFEエンジの100%子会社のealo(エアロ、東京都千代田区)でインターネットを通じて販売していく。年内を目途に販売サイトを立ち上げる。機能性表示食品の生鮮トマトとともに、同トマトを用いたサプリメントや化粧品、飲料などもラインナップし、「Lycopure(リコピュア)」のブランド名を用いて販売展開していく。

 機能性表示食品のミニトマトを生産する植物工場は、JFEエンジニアリングが設計、建設などを手掛けている。今回の機能性表示食品を含む健康食品市場への参入は、JFEエンジが展開するスマートアグリ事業における、高収穫・高品質な農産物を栽培できる農業プラントの受注につなげる狙いがありそうだ。

【写真=グループ会社のJファームの植物工場で栽培しているミニトマト】

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