厚労省CBN規制、業者から異論 早急すぎる施行「科学的根拠どこに?」(2025.11.4)


 厚生労働省が大麻由来成分CBN(カンナビノール)について、「指定薬物」とする方向で検討していることに対し、業者らから異を唱える声が上がっている。

 同省は、10月29日~11月27日までの期間、この件について意見募集を始めており、12月中旬に改正省令公布、その「10日後」施行というスケジュールを提示している。

 CBNは、THC(テトラヒドロカンナビジオ―ル)が酸素や光によって分解されて生まれる希少カンナビノイド。睡眠サポートやリラックス効果を求める人にとって体感性が高く、これまでは国内において合法とされてきた成分だ。CBD(カンナビジオール)より、体感性が高く合法の成分だったため市場でも人気が高く、CBD製品を販売する企業の約半数がCBN製品も扱っているといわれている。

 またCBD製品よりCBN製品の方が、売上が良いとする業者も多く、投資の力点をCBNに置き換える企業も増えていた。業者らの声では「CBNが禁止(指定薬物に指定)されたら、事業から撤退するほかない」という声まで聞こえており、「THCの基準値規制で半数の業者が去った。今回のCBN規制でさらに半数の業者がいなくなる」という声すら上がっている。

 業者らが問題視している点は、これまで何ら規制されてこなかったCBN製品が、改正省令案の公表からわずか2カ月程度の期間で、麻薬所持・使用扱い(犯罪)になる点だ。CBN製品は相当数市場に出回っており、短期間での回収は困難で、コスト面の負担も非常に大きい。規制プロセスも疑問視されている。いまだCBN摂取と健康被害の因果関係が立証されていないまま、指定薬物とされるのでは、業者らも納得できないだろう。

 11月14日~15日に都内のLUMINE 0(JR新宿駅直結)で開催する日本最大のヘンプ産業の国際的な展示会&カンファレンス「国際ヘンプ博覧会 2025」では、この問題について解説・討論が行われる予定だという。


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