アボットが健食市場に参入 HMB配合サプリを通販(2014.9.25)

アボット

 米アボットラボラトリーズの日本法人アボット ジャパン㈱(東京都港区)が国内健康食品市場に参入した。これまで医療用の栄養補助食品や栄養剤を販売してきたが、9月22日、HMB(β‐ヒドロキシ‐β‐メチル酪酸)を配合した一般向けサプリメントを通信販売で新発売。加齢に伴う筋力低下への対応を念頭に置いたもので、当面はこれ以外に製品ラインナップを増やさず、50代以上男女に売り込む構えだ。同日から専用ウェブサイトや新聞広告を通じた販促活動も開始した。

 アボットは、医療機器やブランドジェネリック医薬品、栄養剤などの製造を手掛けるグローバルヘルスケア企業。13年度売上高は218億4800万㌦。このうち、栄養剤で67億4000万㌦を売り上げた。

 22日に新発売したのは、1袋当たりにHMB1200㍉㌘のほか、L‐グルタミンとL‐アルギニンを各7000㍉㌘ずつ配合した水に溶かして飲む粉末タイプ飲料「明日も元気」。1日1~2袋を目安に飲むもので、価格は14袋入りで税込5400円。原産国は米国だという。

 HMBは、必須アミノ酸BCAAのうちロイシンの代謝産物。筋肉分解抑制機能などが報告されている物質で、日本では2009年の食薬区分改正で「非医薬」に新規収載された。

 HMBの食薬区分を厚生労働省に照会したのはアボット ジャパンだと見られている。同社ではその翌年の10年、同社の栄養剤部門から、HMB配合製品として国内第1号となる粉末タイプ飲料「アバンド」を病院売店、調剤薬局を中心に販売を開始。米国など海外でも販売されているもので、海外品ではコラーゲン蓄積量増加に関する臨床試験データなどを取得している。

 「アバンド」の配合成分は今回の新製品と変わらない。HMBに詳しい業界関係者によれば、アボットはHMB、グルタミン、アルギニンの製品配合に関して「強力な特許を保有している」という。新製品での、機能性表示制度への対応についてアボット ジャパンでは「具体的なところは決まっていない」と話している。

【写真は9月22日に新発売した粉末飲料「明日も元気」】

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