武田薬品、健康食品市場に再参入 ミドリムシを通販(2014.10.23)


 武田薬品工業㈱が健康食品市場に再び参入した。16日、微細藻類の一種ユーグレナ(和名・ミドリムシ)を配合したハードカプセル型健康食品を通信販売限定で新発売。同社が健康食品を販売するのは、1996年、グループ会社を通じて発売したマルチビタミンなど以来となる。

 同社は健康食品事業の再始動に当たり、ユーグレナの屋外大量培養技術を持ち、健康食品や化粧品の開発・販売を行うユーグレナ㈱との間で包括的提携契約を締結。ユーグレナを配合した一般用医薬品、医薬部外品、特定保健用食品などヘルスケア食品の共同研究・開発を目的としている。その第1弾製品として16日、健康食品「緑の習慣」の販売を開始した。

 同品は、ユーグレナのほかに大麦若葉、ケール、明日葉といった定番青汁素材(国産)を配合したもの。1日摂取目安量3カプセルあたりで約500㍉㌘のユーグレナを摂取できるようにした。価格は30包入り(1包3カプセル)で税込5880円。併せて、初回購入限定製品の7包入り(同1000円)も販売する。

 同社では今年度末(15年3月)までに同品で1億5000万円を売り上げる方針。3年後を目途に5億円に引き上げる計画のようだ。当面のところ販路は12年に立ち上げたECサイト「タケダ通販ショップ」に限定し、健康食品で通販事業の拡大も図る構え。

 同社がユーグレナに注目したのは、「DHA・EPAなど59種類の栄養素を含み、細胞壁が存在しないため消化率が非常に高い」ことことが理由だと言う。また「特有の成分として、高い機能性が期待されるβグルカンの一種、パラミロンが含有している」とも強調している。

 同社は96年、グループ会社の武田食品工業(当時)からマルチビタミンやカルシウムなどの低価格サプリメントを発売。コンビニエンスストアを主要販路として販売していた。

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