ライコレッド新CEO 最終製品、共同開発も視野(2014.11.6)

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【インタビュー ライコレッドCEO ロニー・パティシ・チリム氏】

 トマト由来リコピン「ライコマート」などのカロテノイド原料メーカー、ライコレッド(イスラエル)の新CEOに10月就任したロニー・パティシ・チリム氏がこのほど来日し、新体制下での成長戦略を日本の顧客らに説明した。グループ会社を通じた最終製品販売も推進することで業績拡大を図る。同社としては初となるBtoC事業の日本市場での展望と、食品の機能性表示制度の対応について新CEOに話を聞いた。

──米国子会社「ノバヒュー」を通じて最終製品5アイテムの販売を始めました。〝心臓の健康〟など、各製品で個別の機能を訴求しています。

 ライコレッドの製品には常に機能性に科学的な裏付けがある。5製品すべてで臨床試験を実施し、論文発表もしている。素材単体ではなく、配合されている素材の組み合わせによる効果が実証されている点が、(米国で販売されている)ほかの製品との大きな違いだ。

──日本での販売も視野に入れています。どのように展開していきますか。

 パートナーシップが重要だと考えている。ライコレッドは今、転換期にある。原料販売のBtoBビジネスと同時に最終製品販売のBtoCビジネスも展開していく。BtoCに関しては、その国の規制や消費者ニーズなどを細かく理解しているパートナーと共にビジネスを進めていきたい。米国でも同様にパートナーシップを組み、医師を通じて販売している。日本ではマスマーケットやEコマースの可能性もあるかも知れない。

──米国で販売している製品をそのまま日本に持ち込むのでしょうか。配合素材の組み合わせに関するノウハウをエビデンスとともに活用してもらう可能性は。

 その可能性はある。日本企業とのパートナーシップに基づく最終製品の共同開発もあり得ると考えている。ジョイントベンチャーを立ち上げ、共同開発製品を共に所有する方法もある。「ノバヒュー」というブランド名を必ず使う必要があるとは考えていない。

──日本の機能性表示制度をどう見ているか教えて下さい。

 これまでにかなりのリサーチを行い、「ライコマート」など各素材の機能を実証してきた。それを表示できるのは良いことだ。我々は〝植物栄養素〟を特定し、それは単体ではなく複数組み合わさることで相乗効果を発揮することを明らかにしている。日本での規制変化に対応する準備は整えているし、今後、より洗練されたソリューションを提供していきたい。最終製品が新しい制度に活用されていくことにも期待している。

 規制の変化は業界全体にも大きな変化を与えると思う。新たな企業の参入も大いにあり得るだろう。新しい規制に準拠していくためにも、規制が今後どう変化していくかを我々としても注視していく必要がある。

──日本市場にメッセージがあれば。

 日本の顧客は非常に革新的で、高い品質を求めている。既存パートナー企業との素晴らしい関係を維持しながら、ビジネスをさらに拡大するための次のステップに進んでいきたい。規制が変わることも非常に楽しみにしている。ダイエタリーサプリメントと機能性食品を一つに見るという規制の方向性は、非常に前向きな見方だと感じる。消費者の期待も大きいのではないか。

(聞き手=本紙記者・石川太郎)

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