植物セラミド、口腔粘膜保湿機能も 東北大が確認 (2014.11.20)

植物セラミド

 肌の保湿作用が知られる植物セラミドは口腔内の渇きにも機能する──植物セラミドでは従来知られていなかったこんな働きを東北大学東北メディカル・メガバンク機構の坪井明人教授らが二重盲検ランダム化比較試験で先ごろ見出した。丸善製薬㈱が製造販売する、「ブライトニングパイン(グルコシルセラミド含有パイナップル果実抽出物)」を使った試験で確認されたもの。同社ではオーラルケア食品への配合提案も始めた。

 唾液分泌量が低下し口腔内が乾燥するドライマウスは、口腔内のネバネバ感など不快感のほか口臭、歯周病にもつながるといわれ、悩む人が多いとされる。坪井教授らが行った臨床試験では、寝起きの口腔内のネバネバ感を被験者に尋ねたところ、セラミド摂取群はプラセボ群と比べて有意に改善。口腔水分計を使い客観的に調べても、セラミド摂取群は摂取前後およびプラセボ群との比較で有意に改善した。

 試験は健康な成人女性23名を対象に実施。セラミド摂取群は、パイナップル由来セラミドを1.2㍉㌘含むチュアブル錠を1日1回朝食後、口腔内に約5分間保持するように摂取した。

 試験結果について坪井教授は、「被験者数が少なくパイロット研究の域を出ていない」としつつも、「口腔乾燥に悩む人々に光明を与えるものとなり得る。グルコシルセラミドがヒト口腔粘膜の保湿効果を有する可能性がある」とコメントしている。

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