動脈硬化予防にエラスチン 市場の裾野拡げる可能性(2015.1.8)

09バイタル差し替え岡元社長白衣

株式会社バイタルリソース応用研究所 社長 岡元孝二氏(博士)

 コラーゲン、プラセンタに次ぐ美容素材として参入企業が相次いでいるエラスチン市場。今後伸展が期待される同素材の研究を約40年間積み重ねてきた㈱バイタルリソース応用研究所社長の岡元孝二博士(九州工業大学名誉教授)は、「動脈硬化への作用など多機能性も重視するべき」として、美容面以外での訴求の必要性を説いている。エラスチン研究で知られる同氏に話を聞いた。

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 約40年前に米国アラバマ大学医学部に勤務していた時にエラスチン研究に関わるようになりました。当時はまだそれほど研究が進んでいない時代で、主に医療方面で使われるエラスチン研究に従事しました。帰国後に医療系企業の商品開発に関わるようになり、動脈硬化改善作用を持つ医薬品が誕生し高い評価を得ました。

 いまではエラスチンは美容面での機能性が強調されていますが、実は様々な機能性を秘めているのです。それらの多機能性を十分に活用できれば、いままで以上の市場を作り上げることも可能なのです。
 私が数年前に行った動物実験では、ウサギにコレステロールを投与して動脈硬化を惹起し、同時にブタ動脈から抽出したエラスチンを投与することで動脈硬化の進展時に起こる血管内腔表面の硬化病変が見られなくなりました。対照群のコレステロール投与群では、血中LDLコレステロールや血中トリグリセリドが上昇しますが、コレステロールとエラスチンの併用投与群ではその上昇が抑制されました。

 血清脂質の上昇抑制のメカニズムはいまだ不明なので今後の課題ですが、エラスチンを投与することで状態が改善されることが分かりました。

 血管の弾力性・伸縮性に関わるエラスチンは加齢により減少し、また動脈硬化とともに著しく減少することが分かっています。動脈硬化を起こした血管を正常に戻すことは容易ではありません。動脈硬化を予防するためにも、エラスチンを常日頃から摂取し、予防することが大切と考えています。

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