一枚岩になった流れ止めるな 森下仁丹・駒村社長(2015.4.23)

駒村社長インタビュー

 スタートしたばかりの機能性表示食品制度を巡っては、業界もしばらく混乱することが予想される。その中で、業界全体を正しい方向に導く役割を担うべき業界団体はどうあるべきなのか。新制度スタート後の業界団体のあり方をテーマに講演したこともある、エグゼグティブ会議の代表世話人を務める森下仁丹の駒村純一社長に聞いた。

──健康食品の業界団体といえば今は、エグゼ会議も含めた業界8団体で構成される健康食品産業協議会が規模としては最大といえそうです。産業協議会の今後をどう考えますか。

 機能性表示食品制度で予定されている2年後の見直しに向け、引き続き業界側窓口として活動していく必要がある。ビタミン類や機能性関与成分が今のところ明確ではない素材が制度の対象外にされたり、病者を被験者にした論文は研究レビューに原則使えなかったりなど、業界にとっての大きな課題は2年といわず早期解決を図りたい。

 健康食品の機能性表示実現に向けては業界団体がひとつに固まることが鍵だった。各団体で考え方の違いはあっただろうが、今回、ひとつの方向におおよそまとまることができたと思う。この流れを止めるべきではない。

──産業協議会の今後の体制について。

 いまは単なる任意団体といえ、一般社団法人格を得るなど、団体としての性格を公的にも明確にしなければならない。具体的な検討は各団体を交えて今後議論していくことになるだろうが、そうのんびりはできない。制度見直しに向けた取り組みのほかにも、届出書が返送されている例が既に出ているようだが、機能性表示食品を巡る留意点や争点を見極め、どう対処していくかを、早急にとりまとめていく必要がある。

──産業協議会を構成する8団体のうち日本健康・栄養食品協会は、業界団体というよりも認証機関の側面が強まっているという指摘もあります。

 日健栄協は公益を目的とする事業を行う公益財団法人で、業界益のために各企業が共同する業界団体とは性質が異なると思う。産業協議会は業界団体といえるが、そこに加わることで、日健栄協が本来行うべき活動への影響が懸念される。機能性表示食品では既に事業者の研究レビューを支援しているし、今後GMPに基づく製造が義務化されたりすれば、GMP認証機関である日健栄協には一層の透明性が求められることになる。業界団体ではなく、もっと公益性に適った中立的な立ち位置があるはずだ。

──エグゼ会議として産業協議会に今後どうかかわっていきますか。

 個人的な取り組みの面もあるが、流通や一般用医薬品など、健康食品業界団体以外の業界団体との融合や調整を図っていきたい。流通関係とはこれまでも意見調整してきたが、しっかりタイアップできているわけではない。当社も加盟している一般用医薬品の業界団体には、健康食品を販売する先も多い。こうした業界団体とのパイプ役がエグゼ会議の役回りだろうと考えている。

──機能性表示食品制度を巡る消費者教育は、消費者庁だけでなく業界にも求められそうです。

 受益者負担の原則に基づけば、消費者に正しい情報を伝えていくための努力は当然、各企業、ひいては業界団体の役割だと思う。健康食品やトクホ、栄養機能食品も含めた啓発活動、あるいは粗悪品を排除していくための活動なども産業協議会の役割になるだろう。消費者だけでなく、医師や薬剤師など医療従事者などに向けた情報発信にも取り組んでいく必要がある。(聞き手=本紙記者・石川太郎)

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