機能性表示食品、品質確保が根幹 アリメント工業(2015.5.7)


 機能性表示食品の受託製造体制や対応方針について、健康食品受託製造大手のアリメント工業㈱(山梨県南巨摩郡)は4月21日、出展した展示会のセミナーで詳細を初めて明らかにした。健康食品の受託製造と大きく異なる面はないが、市販後でも、機能性関与成分の定性・定量に課題の生じない製品開発・設計にとりわけ注力する。届出書類の作成にも一部対応しながら、製品開発や生産・製造、品質管理の面から顧客の徹底サポートを行う方針だ。

 機能性関与成分の研究レビュー(システマティックレビュー)や最終製品の臨床試験も含めて委託したい顧客には、外部協力機関を積極的に紹介する。協力機関としては「静岡県産業振興財団 フーズ・サイエンスセンター」などがあり、論文作成を含めた臨床試験を静岡県立大学薬食研究推進センターに、レビューは同大食品環境研究センターにそれぞれ委託できる体制をつくった。

 同大のほかにも、健康補助食品GMP、米NSFのcGMPの認証を取得した新富士工場を置く、静岡県の行政機関からサポートを得られる体制を構築。届出書の作成について、県で食品表示法を所管する健康福祉部衛生課に相談に応じてもらえるようにした。これにより、届出までの一貫支援体制を整えた格好だ。

 機能性表示食品の開発・設計のうち素材(機能性関与成分)選定に当たっては、顧客の要望に応じながら、原料事業者と密に連携し、安全性や品質が担保されつつレビューが行われている素材を中心に提案していく。これを土台に、顧客、原料事業者、同社の三者間で機能性表示食品に適した製品開発を進めたい考えだ。

 また、製品試作段階から、崩壊性試験、経時変化試験といった健康食品でも行っている品質保証試験のほか、機能性関与成分の定性・定量試験を実施する。

 4月17日に公表された機能性表示食品の届出受理第1弾製品群には同社が製造するサプリメントも含まれる。同社工場の品質保証体制としては、cGMP、健康補助食品GMPのほかにISO22000の認証も取得済み。「受託メーカーとして、外部機関や原料メーカーなどとの連携を取りながら、製品の品質保証・管理を徹底的に行いたい」と同社では話している。

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