消費者向け電子商取引12.8兆円に 経済産業省(2015.6.11)


 経済産業省は5月29日、2014年度の電子商取引に関する市場調査結果を公表した。国内の消費者向け電子商取引(BtoC‐EC)市場は推計12兆7970億円で、前年比14.6%(1兆6310億円)増だった。物販分野の全取引に占める電子商取引の割合を示すEC化率は4.37%と、初めて4%台に乗せた。

 BtoC‐EC市場は順調な伸びを続けており、09年(6兆6960億円)の約2倍の規模に達した。14年は4月の消費増税後に個人消費が落ち込む場面もあったが、「業種別で実店舗と類似した傾向も一部見られたが、通年では消費増税の影響は限定的であったと考えられる」と、BtoC‐EC市場での影響は限られたと分析した。

 分野別では物販系が6兆8042億円(前年比13.5%増)サービスが4兆4816億円(同10.1%増)、デジタル分野が1兆5111億円(同37.1%増)。

 物販系で最も規模が大きい食品・飲料・酒類は1兆1915億円(同20.4%増)。ネットスーパーが拡大をけん引したという。同カテゴリーは全体の商取引が約60兆円あるため伸びしろは大きいともしている。

 また、健康食品は高齢化社会の進行に伴う健康への関心から需要は引き続き見込まれるとした。現状は通信販売が浸透していることもあり、BtoC‐EC比率はそれほど高くないが、シニア層のITリテラシー向上でインターネットでの注文のハードルも以前より低下しているものと推測でき、今後の売上拡大が期待されるという。

 一方、化粧品、医薬品は4415億円(同8.0%増)。化粧品はここ数年は横ばい。一部商品の安全性が取り沙汰されて以降、店頭販売チャネル重視の動きも一部見られるという。

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