機能性表示食の動向焦点に 健食売上高、回復の兆し(2015.7.9)


 昨年4月の消費増税以来低迷していた健康食品の売上や消費が、ここにきて回復の兆しを見せている。一時的なものである可能性もあり予断を許さないが、経済産業省の専門店量販店販売統計など、複数の指標が増加傾向を示し始めた。その中で、販売が始まった機能性表示食品が健康食品全体の売上拡大に貢献するかが注目される。

 経済産業省が先月29日に発表した5月の専門量販店販売統計(速報)によると、全国ドラッグストア(1万3556店舗)の売上高は4393.77億円で、前年同月(確報)比14.8%増だった。このうち健康食品の売上高は144.67億円で同17.2%(21.28億円)増と、全体の伸び率を上回り2カ月連続で増加した。売上高としては消費増税前の駆込み需要で膨らんだ昨年3月の171.48億円以来の高水準。

 また、日本通信販売協会が6月11日に発表した会員企業143社対象の15年4月度の通販売上高調査結果でも、健康食品の売上高は前年同期比4.4%増の151億6200万円と増加した。年度替わりに伴い調査対象企業が前年度の145社から2社減少しているが、健康食品の売上高が前年同月を上回るのは14年3月度以来の実に13カ月ぶりとなる。

 さらに、総務省の家計調査(二人以上世帯)によると、5月速報で健康保持摂取品(サプリメント)の1世帯当たり支出額は前年同月比名目14.9%増の1111円と、2ケタ増と2カ月連続で増加した。伸び率を前の月と比較すると、14ポイント増えた。

 このように各種売上高・消費動向数字を見る限り健康食品の回復傾向は鮮明化しているように見える。しかし、昨年の消費増税の影響はまだ続いているとの悲観的な意見が根強いのも事実。現状は増税後に落ち込んだ昨年実績に助けられている面も否定できない。

 実際、気掛かりな統計もある。前述の総務省の5月の家計調査では、サプリ支出割合が高い勤労者以外の世帯の支出が奮るわず、同3.8%減の1345円と減少した。勤労者以外世帯のサプリ支出は4月も7.6%減、3月についても14.6%減と3カ月連続で減少しており、高齢者世帯が増税の影響を大きく引きずったままであるとも見て取れる。

 一方、6月以降は機能性表示食品として届け出された商品の販売が順次始まった。

 発売から間もないため正確な売上高はまだ伝えられていないが、「広告レスポンスは3割増し、ウェブからの注文はおよそ10倍」(ヒアルロン酸を関与成分にしたサプリを先月12日に発売したキユーピーのグループ会社トウ・キユーピー担当者)など、総じて消費者の反応は良好という声が聞かれており、健康食品全体の売上拡大に貢献する可能性がありそうだ。

 他方で、機能性表示食品制度の導入に伴い、「いわゆる健康食品」の表示規制強化も予測される。過度なイメージ宣伝は控える必要がある。

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