中間まとめ取引類型ごとに記述 消費者委特商法議論(2015.8.6)

消費者委員会

 消費者委員会の「特定商取引法専門調査会」(後藤巻則座長・早稲田大学大学院法務研究科教授)は7月31日、8月の中間取りまとめに向けた議論を行った。中間とりまとめは、指定権利制や勧誘規制、クレジットや預金引き出しを勧める行為などの横断的事項、訪問販売、通信販売など個別の取引類型に関する規律のあり方、執行上の課題の3つに整理。過去の議論を踏まえた書きぶりにすることで合意した。

 横断的事項では指定権利制の廃止、外国通貨の両替を取り上げる。指定権利制の廃止は投資目的の権利販売や共同購入クーポン等を対象にしたもので、同調査会では、平成20年改正の商品、役務取引の指定制廃止と同様、すべての権利取引を特商法の適用対象にすることが議論になった。

 一方、主に訪問販売、電話勧誘が対象になる勧誘規制では、消費者の生活の平穏やプライバシー保護のため、消費者の意思に反して行われる勧誘を規制する、いわゆる不招請勧誘の禁止や再勧誘禁止の解釈拡大などが議論の対象になった。

 個別取引類型では、訪問販売におけるアポイントメントセールス、キャッチセールスにおける来訪要請方法の規制を取り上げる。また、現行では規制対象になっていない電話勧誘販売における過量販売や次々販売に対する解除権の問題を挙げる。さらに、通信販売では虚偽・誇大広告に関する取消権の問題、インターネットモール事業者の扱い、FAX広告規制なども取り上げる。

 執行上の課題では、訪問販売事業者や電話勧誘販売業者を入り口で規制する登録制などの事前参入規制のほか、行政処分の効力を事業者の役員にも及ぶよう対象を拡大すること、都道府県が行う処分の効力を他県にも及ぶようにすることが取り上げられる。このほか、新たな技術、サービスもここで取り上げる。

 同調査会は8月に中間取りまとめ後も議論を継続する。特に執行上の課題である訪問販売や電話勧誘販売の事前参入規制など、事業者の営業の自由を縛るような規制強化では委員間の意見が対立しており、中間とりまとめでは様々な意見があることを踏まえた書きぶりになるようだ。

【写真=7月31日の特商法専門調査会(東京・千代田区)】

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