消費増税影響脱したか 健食売上5カ月連続増(2015.10.22)


 健康食品の売上高が昨年と比べて増加基調で推移している。総務省統計局の家計調査や、日本通信販売協会の通販売上高月次調査などの各種調査で健康食品の支出額や売上高は、今年4月以降8月まで5カ月連続で増加。消費増税に伴う消費の低迷から健康食品は脱した可能性がありそうだ。

 通販協が8日発表した15年8月度通販売上高調査結果によると、健康食品の売上高は、前年同月比5.8%増の156億9200万円と5カ月連続で増加し、伸び率は前の月と比べて4.4ポイント高まった。調査対象企業は協会会員企業141社。化粧品も、同10.09%増の150億4700万円と同じく5カ月連続で前年実績を超えた。

 通販協月次調査の今年4月度から8月度健康食品売上高を合算すると785億2800万円。調査対象会員企業に若干の入れ替わりはあるが、前年同期比を見ると、5%増と前年を上回る水準で推移している。

 一方、家計調査8月分(速報)でも、2人以上世帯の健康保持用摂取品(サプリメント)の1世帯当たり支出額は前年同月比名目2.3%増の1188円と、5カ月連続で増加した。

 8月は、落ち込みが続いていた無職世帯(勤労者以外の世帯)の支出額が同16.9%増の1955円と大きく伸張。無職世帯の支出額が前年同月実績を超えるのは8カ月ぶりで、支出額が1900円台に達したのもやはり8カ月ぶりだった。

 また、経済産業省が発表した8月の商業動態統計(速報)でも、全国約1万3000店舗ドラッグストアの商品販売額は前年同月比7.8%増の4525億7900万円となり、このうち健康食品は同13.4%増の156億4700万円と、5カ月連続の2ケタ増を記録している。中国人を中心とした来日客によるインバウンド消費の影響も大きいと見られる。

Clip to Evernote

ページトップ