売上高100億超企業伸び悩む えがお、首位に迫る(2015.11.26)


【九州・沖縄健食売上高ランキング・帝国データバンク調べ】

 九州地区健康食品販売事業者売上高ランキングで通信販売の㈱えがおがトップのキューサイ㈱に並びつつあることが、帝国データバンク福岡支店の調べで分かった。17日に発表した2014年度売上高ランキングでえがおは264億6100万円と前年度4位から2位に浮上。キューサイは274億1000万円で4年連続の1位となったものの、売上高の差は10億円足らずだった。

 調査は九州・沖縄地区に本社を置く健康食品販売を主要事業とする企業を対象に、各社の14年度(14年4月~15年3月)の売上高などを調べたもの。13年度調査に続き今回で6回目。

 調べによると、14年度調査でキューサイの売上高は前年度比5.1%減と減少した。消費増税後の健康食品消費の落ち込みなどが影響したと見られる。13年度の伸び率は0.3%減と減少幅も拡大した格好。一方、えがおは13年に決算期を変更しているため比較できない。

 売上高上位50社の売上高合計は、前年度比0.5%減の1989億8200万円と3年連続で減少した。全体的に消費増税に伴う反動減の影響で苦戦したと見られる。売上高が2000億円を割るのは、09年度調査以来。

 売上高規模別の売上高を見ても、100億円以上企業の合計売上高は同5.9%減の1351億6700万円と減少、これが全体を押し下げた。ただ、10億円以上100億円未満企業は同24.3%増の508億100万円と、前年度の減少から増加に転じた。対象企業が増加したのに加え、同企業群の上位企業で新規顧客の獲得が進んだと見られる。

 一方、14年度の倒産件数は5件、負債総額は3億2000万円。インターネット通販を主体とする中小・零細企業が中心だが、07年度・13年度(8件)、09年度(6件)に次ぐ発生件数。広告宣伝の資金が回らなくなり、加速度的に売り上げが落ち込むケースが目立つという。

 健康食品市場の成熟や顧客獲得競争の激化を受け、伸び悩みが鮮明になりつつある同地区の今後の動向については、「機能性表示食品が一般化すれば、その取り扱い如何が業績を左右」する可能性があると同社は分析する。その上で、「扱わない企業の淘汰につながる可能性もある」としている。

伸び率1位はローズ・コーポ

 14年度九州・沖縄地区健康食品販売事業者売上高ランキングで伸び率が最も大きかったのは、「アミノゴールド」「サラシア青汁」などを販売する㈱ローズ・コーポレーションだった。売上高は前年度比66.4%増の36億7100万円。売上高ランキングでも10位に入った。

 調査した帝国データバンク福岡支店によれば、同社はもともと下着や化粧品などを主体とするネットワークビジネスを展開していた一方で、近年はオリジナルサプリメントの比重が増加。「既存会員に対する健康食品訴求」もあって売上高を伸ばした。

 伸び率第2位は、前年度比43.6%増の30億2900万円となったECサイト「すっきりライフ通販」を運営するハーブ健康本舗。健康茶やサプリメントを販売する同社は、フリーペーパーなど紙媒体への広告宣伝を積極化させたことで売上が増加したという。

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