届出受理 1カ月半で約50商品 ペースアップだが(2015.11.26)


 消費者庁のホームページで公開されている機能性表示食品の届出について、10月6日以降今月24日までのおよそ1カ月半の間に、届出受理品目数が新たに50件近く積み上がった。機能性関与成分の研究レビューなど届出書類をほぼ同一とするバリエーション商品や、類似商品の届出増加が要因の一つと見られるが、同庁の書類確認の処理速度が高まった可能性もある。複数回の修正を余儀なくされていた届出も受理され始めた。

 消費者庁は24日の情報更新で、わかさ生活が届け出たサプリメント「ブリーベリーアイ EX」など5品目の届出情報公開を開始。これにより届出総数148品目(届出自主撤回2品目含む)となった。

 届出総数が100品目を超えたのは、機能性表示食品制度施行から半年が経過した先月10月6日の更新。現在のペースで届出受理が進めば、年明けの早い段階で200品目を突破してくるとも考えられる。

 一方で、届出書類の提出件数自体は既に500件近いとされる。相当数の届出が書類内容の修正を繰り返しながらの受理待ち状態にあるとみられ、届出者が販売計画を明確に立てるのが困難な状況は当面続くと見られる。

 届出受理のスピードをさらに引き上げるためには、事業者には書類不備などのない届出を行うこと、消費者庁には届出書類確認体制の改善と充実化を図ることが引き続き求められる。

 同庁はとりわけ機能性表示の文言を事細かに精査し、指摘しているとされ、実質上の「審査」が行われているという声は一向に鳴り止まない。本来、書類の形式確認が行われたに過ぎないはずの単なる届出受理が、あたかも許認可のような状況になっていると指摘する声も表面化してきた。

 ただ、制度はスタートから半年が経過したに過ぎない。その中で届出受理のペースは速まりつつある。また、積み残された制度検討課題をめぐる議論が間もなく始まる見通しもあり、同庁、業界双方の制度運用面の改善に向けた議論が行われることが期待される。

わかさ生活、ビルベリー受理

 24日の情報更新で追加されたわかさ生活の届出は「ブルーベリーアイプロ」「同EX」の2品目。両品ともビルベリー由来アントシアニンを関与成分としたもので、それぞれ「ピント調節力を改善することで目の疲労感を和らげることが報告されています」と表示する。

 同社はビルベリー健康食品販売の最大手。同成分を関与成分にした機能性表示食品をめぐっては、通信販売のリフレが届け出た、「目の疲労感」に対する機能性を訴求するサプリの販売が先行している。ほかの競合企業も届け出を行っている可能性があり、ビルベリーをめぐる市場競争の舞台は今後、機能性表示食品にシフトしていくことが予想される。

 一方、同様に市場規模の大きいグルコサミンの届出も、24日と17日にあった情報更新で計2品目が追加された。

 両品ともグルコサミン原料供給国内最大手の甲陽ケミカルが届け出たもので、機能性の科学的根拠は研究レビューで評価。「運動や歩行などにおける軟骨成分の過剰な分解を抑えることで、関節軟骨を維持」という機能を主体にした届出表示で受理された。これにより、グルコサミンを配合した食品の届出が増えてくる可能性もありそうだ。

 直近4回(13日、17日、20日、24日)の情報更新では、新規関与成分も見られ、「ALA」の名称で知られる5‐アミノレブリン酸リン酸塩が24日に追加。SBIアラプロモが届け出たもので、「食後血糖値の上昇を穏やかにする機能」と表示する。科学的根拠は最終商品の臨床試験。通信販売やドラッグストアで来月にも販売を始める。

 また、「日常生活のストレスによる一時的な睡眠の不満を持つ方におすすめです」と表示するサプリメントの関与成分としてL‐セリン、「腸内環境を整え、お通じを改善することが報告されています」と表示するビフィズス菌BB536もそれぞれ追加された。いずれもファンケルが届け出たもので、睡眠の質向上機能を訴求する「快眠サポート」では、パッケージの主要面に〝臨床試験済み〟と表示する。

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