機能性大麦、市場投入へ 帝人「バーリーマックス」(2016.1.21)


 大手繊維企業の帝人㈱(大阪市中央区)は18日、オーストラリアの食品ベンチャーのヘルシー・グレイン社が取り扱う機能性大麦「バーリーマックス」の日本における販売を視野に入れた研究を本格的に推し進めると発表した。すでに機能性のエビデンスについて医療関係者と研究を始めており、今年上期に研究成果をとりまとめ準備が整い次第、市場提案を本格化させる。帝人本体として食品事業に踏み込むのは初。最終製品などの取扱いは今後決めていく方針としているが、原料供給の可能性も高いと関係者は見ている。

 両社の日本での独占協同開発契約は昨年2月に締結していた。帝人では締結後に各イベントで「バーリーマックス」の開発経緯や機能性などについて紹介していたが、帝人として研究成果を持ち合わせていなかったことなどもあり、公式なアナウンスはしていなかった。今回の正式発表には、契約締結後の国内での大麦の市場概況や各イベント参加での反応が「ポジティブな方向に出ている」ことなどから、研究成果発表を前倒ししたかたちでの発表となった。

 「バーリーマックス」は、豪州の食品・栄養研究機関であるオーストラリア連邦科学研究機構が開発した非遺伝子組み換えの機能性大麦。一般の大麦に比べ水溶性食物繊維が2倍、不溶性食物繊維は4倍、レジスタントスターチを4倍含む特徴を持つ。豪州ではシリアルやパン、クラッカー、グラノーラなどに広く利用されている。豪州では排便の機能で訴求が進んでいるが、帝人ではレジスタントスターチの生理機能にも目を向け、血糖値上昇抑制などの生活習慣病対応の機能性の検証を進め、市場ニーズを掘り起こす考えだ。

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