機能性表示食 DHAで「記憶サポート」(2016.2.25)


 DHA(ドコサヘキサエン酸)を機能性関与成分とし、「情報の記憶をサポートする」機能を訴求する機能性表示食品の届出をこのほど消費者庁が受理し、10日から情報公開を始めた。〝記憶〟に言及する機能表示食の関与成分は、イチョウ葉エキス(フラボノイド配糖体/テルペンラクトン)に続き2成分目。DHA・EPA魚油製造販売大手のマルハニチロが届け出た。

 DHAを関与成分にしたフィッシュソーセージ、サバ水煮缶詰の2商品の届出が17日までに受理された。表示しようとする機能性はいずれも「DHAには認知機能の一部である、数・ことば・図形・状況などの情報の記憶をサポートする機能があることが報告されています」。両品とも4月から販売を始める。

 DHAを関与成分にして〝記憶〟や〝認知機能〟を盛り込む機能表示が受理されたのは初。これまでに、魚油に含まれるDHAとEPA(エイコサペンタエン酸)の両方を関与成分とする届出が13品目受理されているが、いずれも「(血中)中性脂肪の低下」機能を表示するものだった。DHAの訴求機能が拡大することになる。

 マルハニチロは、DHAの研究レビューで機能性の科学的根拠を評価した。最終的に採用した文献は13報と多く、健常者のほか、MCI(MildCognitive Impairment)を対象にした文献も採用。MCIは、「軽度な認知機能の低下は見られるものの、基本的な日常生活活動は正常であり、認知症が認められていない者」などと説明される状態で、同社では「疾患に罹患する者には該当しない」としている。

 また、採用した文献には、DHAとEPAを併用したものも含む。その一方でDHAのみを関与成分とする根拠について届出書では、「DHAが多い脂質を摂取した場合は認知機能に対する有意な効果が認められるが、DHAが少なくEPAを多く含む脂質を摂取した場合では有意な効果が認められない」とする報告があると言う。

 DHA、EPAともに脳血管関門を通過できる成分で一方、EPAは脳内でDHAに変換されるため、脳内に分布するのはDHAのみだとされる。

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