認知機能表示関心高く 大豆PSも注目候補に(2016.3.10)


 認知機能に関わる研究レビュー概要などを伝えるセミナーが先ごろ都内であり、業界関係者ら約60名が聴講した。加齢に伴う脳機能の低下抑制作用などが報告されている大豆由来ホスファチジルセリン(PS)に関するもの。イチョウ葉エキスを事実上の機能性関与成分とする機能性表示食品が相次いで登場して以降、脳機能対応素材に対する注目度が大きく高まっている。

 主催したのは、大豆PS原料の供給と普及啓発活動を行う「リパミン広報センター」(幹事企業=DKSHジャパン、ビーエイチエヌ、ヘルシーナビ)。センターでは、届出に必要な資料一式を用意し、届出支援を積極的に進めている。

 センターがこの日紹介したレビューは、同じく大豆PS原料を供給する日油㈱と昨年、共同実施したもの。もともと関心が高かった脳機能改善素材に関するレビューであったことに加え、競合企業と連携したことでも注目を集めていた。

 セミナーには大手サプリメント販売企業関係者の姿も見られた。大豆PSの機能性表示を巡っては、米国の条件付きヘルスクレーム制度が「PSは高齢者の認知症リスクを低減させる可能性がある」との疾病リスク低減表示を許可。また、「PSは高齢者の認知力の低下をサポート」する旨の表示が韓国の健康機能食品制度でも許可されていることもあり、新制度対応を検討するにあたっては無視できない素材となっている様子が窺える。

 研究レビュー結果の詳細についてセンターでは、守秘義務契約を交わした上で開示。そのため、セミナーでも具体的な内容は伏せられたが、レビューでは、脳機能改善作用および肉体的・精神的ストレス軽減作用をそれぞれ検証し、いずれの機能性についても「一定の有効性が認められる」と判断できたと言う。
 認知機能を訴求する機能性表示食品で、これまでに届出が受理されている関与成分はイチョウ葉エキスとDHA。「認知機能の一部である記憶力を維持する」などといった表示で受理された。「イチョウ葉などと比べてもエビデンスの量では負けていない。作用メカニズムも異なる。そうした点をアピールしながら、大豆PSを機能性表示食品として広げていきたい」とセンターでは話す。

 まもなく、最初の届出書類の提出が行われる見通しだ。

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