ライコレッド 抗肥満成分、規格化へ(2013.11.7)


「ライコマート」の新製品に
 トマト由来リコピン製造販売大手のライコレッド(イスラエル)は、同社の主力リコピン原料「ライコマート」にトマト由来抗肥満成分として注目されている「13-oxo-ODA)」が高含有していることを確認した。今後、同成分含有量を規格化した新製品を開発し、市場投入する計画だ。

 同成分は河田照雄・京都大学農学部教授ほか日本デルモンテなどの研究チームがトマトジュース中から発見した新規成分。12年2月、同成分に脂肪燃焼作用があり、脂質代謝異常の改善に有効であることをマウス試験で確認したと発表、これをマスメディアが取り上げたことで、トマト・ダイエットブームを創出する契機となった。

 「ライコマート」に同成分が高含有されていることは、同社が先ごろ都内で開催したセミナーの中で、元山梨大学大学院特任教授の佐藤充克氏(=写真上)が説明。それによると、トマトペースト中に含まれる同成分の含量は40~79ppmの一方で、「ライコマート」のリコピン含有量18%品では2500~3500ppmだったという。

 また同氏は、「ライコマート」には同成分と同様に河田教授らが脂肪燃焼作用を明らかにした新規成分「9-oxo-ODA」も含まれており、両成分を合計した含有量は18%品で3000~4150ppmだったとし、「トマトジュースに含まれる量よりも多い。これだけ含有していると少量摂取でも効果のある可能性がある」と述べた。
 同社の関係者によると、含有量測定を行ったのは、河田教授らの研究チームにも加わっていた「かずさDNA研究所」だとしている。

需要押し上げなるか

 河田教授らの発表も影響し、「ライコマート」はダイエット用途での需要が国内で急増していた。

 国内販売代理店のサンブライトによれば、その需要は現在も衰えていない。「既存商品向けの動きが相変わらず良い。新規案件もしっかりある」と話す。

 他方で、これまで以上に競合品の動きが活発化している模様。それもあるためか、セミナーでは同社のモリス・ゼネカCEO(=写真下)が自ら登壇し、「ライコマート」の市場優位性をテーマに講演。製品品質の高さをとりわけ強調した。

 同CEOによると「ライコマート」は、「リコピンをはじめトマトに含まれる有効成分を喪失させない独自の特許製法でつくられている」「トマト農場からマーケットに届くまで当社が品質コントロールしている」などと強調。
 また、エビデンスの面についても触れ、前立腺、DNA損傷、LDL酸化、血圧、肌、高血圧に対する製品としての有効性が、それぞれ複数の臨床試験で確認されていると説明した。

 なお、「13-oxo-ODA」及び「9-oxo-ODA」含有量を規格化した「ライコマート」の新製品の発売は、同社関係者によると来年になる見通しだ。トマトダイエット健康食品の需要を一層押し上げることになるかが注目される。

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