15年度の消費者EC市場13.8兆円 経産省(2016.6.23)


 経済産業省は14日、2015年度の「電子商取引に関する市場調査」結果を公表した。国内の消費者向け電子商取引(BtoC‐EC)市場規模は13兆7746億円で前年比7.6%(9776億円)の増加。分野別内訳は物販系が7兆2398億円(同6.4%増)、サービス系が4兆9014億円(同9.4%増)、デジタル系が1兆6334億円(同8.1%増)だった。

 BtoC‐EC市場は14年まで前年比で2ケタ増が続き、市場規模は09年(6兆6960億円)の約2倍に達した。15年も前年を1兆円近く上回り市場は拡大したが、伸び率は1ケタ台に低下。特に物販系の伸び率は前年の13.5%からほぼ半減した。

 物販系のうち、「食品、飲料、酒類」は前年比10.5%増の1兆3162億円、14年度(20.4%増)に比べ伸び率は半減したが、それでも物販系のカテゴリー別では唯一の2ケタ増だった。けん引役はネットスーパーで、イトーヨーカ堂など食品小売企業の売上が拡大している。また、酒類専門店、健康食品・医薬品・日用品の総合販売業など、多様な小売業も着実に売上を伸ばしている模様だとした。

 「食品、飲料、酒類」のEC化率は2.03%で、物販系分野全体のEC化率(4.75%)との開きが大きい。これは、リアル、ネット全ての市場規模が推定約60兆円以上と非常に大きいためで、その分BtoC‐EC伸びしろはまだ大きいと分析している。

 健康食品の動向については、シニア層をターゲットに様々な食品がカタログ販売やテレビ通販も含め広く販売され、現時点でBtoC‐ECの比率はそれほど高くないが、シニア層のITリテラシー向上により、インターネット注文のハードルも以前より低下していると推測され、今後の売り上げ拡大が期待されると、昨年の調査結果とほぼ同じ内容だった。

 このほか、「化粧品、医薬品」は同6.5%増の4699億円だった。

 なお、物販系におけるスマートフォン経由のBtoC‐ECの市場規模は推計1兆9862億円で、物販系全体の27.4%だった。

日米中の越境取引は23%増

 15年の日本、米国、中国の3カ国間における消費者の越境EC購入額は、日本が2229億円(前年比6.9%増)、米国が9037億円(同11.1%増)、中国が1兆6398億円(同32.7%増)となり、合計では同22.6%増の2兆7664億円となった。なお、19年の越境EC市場規模を試算したところ、日本は15年に比べ1.5倍、米国は1.6倍、中国は2.9倍となり、市場規模は合計6.6兆円に拡大する可能性があるとした。

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