ビルベリー抽出物  同じ規格でも効果異なる(2016.9.8)


 ビルベリー抽出物の薬理活性成分としては「アントシアニン」が知られるが、それ以外の成分も同様に薬理作用に関与している可能性があることを示唆する予備的臨床試験論文が、このほど海外学術誌に掲載された。アントシアニン含有量が36%で規格化された、異なるメーカーの北欧産ビルベリー抽出物について薬理作用を比較検証したところ、同等の効果は示されなかったとしている。

 論文によると、試験では伊インデナ社製ビルベリー抽出物「ミルトセレクト」のアントシアニンと規格が同等な他社製ビルベリー抽物の生理活性に差異が認められるかどうかを検証した。その結果、ミルトセレクト摂取群は検証した全てのパラメーターについて群間比較における有意差が認められた一方で、他社品では一部で有意差を示すにとどまったという。

 試験は伊キエーティ・ペスカーラ大学らが実施。論文は「ヨーロピアン・ビュー」に掲載された。

 この研究の主要実施目的は、ミルトセレクトの網膜血管症に対する有効性を検証することだった。ただ、ビルベリー抽出物はアントシアニンの規格が同じでも、抽出物全体の成分組成には違いのあることをインデナ社が最近報告していたため、比較検証を行った。

 そのため論文タイトルも、「ビルベリー抽出物は同じように作られていない(Bilberry extracts are not created equal)/非アントシアニン画分の役割/ダーク・サイド・オブ・ザ・フォース(dark side of the force)を予備的研究で発見」とされており、これまで見過ごされがちだった、アントシアニン以外の成分組成の役割を強調するものとなっている。

 同社日本法人のインデナジャパン㈱はこの論文について「ビルベリー抽出物の有効性はアントシアニンだけでは説明できず、抽出物全体の組成によって薬理作用が変わってくることを示す新たな知見になる」と話している。

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