キッセイ薬品の2品 特別用途食でも不備 タンパク含量が超過(2016.11.10)


 特定保健用食品(特用)の関与成分に関する品質管理問題を受けて消費者庁が実施した特別用途食品の品質管理調査の結果、キッセイ薬品工業㈱が販売していた腎不全患者用の低タンパク質食品2品目について、タンパク質が許可基準より僅かに多く含まれていることが分かったと同庁と同社が2日、発表した。

 同社は販売を即日中止し返品対応を始めた。2品合わせた2015年度の販売数量は10万5000袋、売上高は3000万円。

 調査は、特用の表示許可を取得している全16社・34品目を対象に実施。外部試験機関による分析結果を10月21日までに提出するよう求めていた。消費者庁によると、不備が発覚したのはキッセイ薬品の2品のみという。特用は、病者用やえん下困難者用など特別の用途に適する旨を表示できる食品で、特定保健用食品と同じく表示には、国の許可が必要となる。

 調査でタンパク質含量が許可基準より多いことが発覚した商品は、キッセイ薬品が販売していた「げんたそうめん」「げんたうどん」の2商品。同社の発表によると、タンパク質含量について許可を受けた製品規格値は「そうめん」が100㌘当たり最大2.8㌘、「うどん」が同2.3㌘だった一方、外部機関で分析したところ、同3.2㌘、同2.5㌘とそれぞれ僅かに超過していた。

 背景について同社は、「社内で適正な品質管理が実施されなかったことが原因」、「チェック体制に不備があった」と説明している。

 同社広報担当の話によれば、タンパク質含量は表示値のプラス・マイナス20%の範囲内であれば許可基準上の問題はないと認識していたといい、許可基準の超過に気付いたのは同庁に調査結果を提出した後だった。同庁から許可基準を超えていると指摘されて初めて、許可基準や製品規格に関する誤認に気付いた。

 一方、2品のうち「うどん」については、同庁に提出した最新の分析結果は許可基準通りだった。ただ、分析結果を2009年まで遡って調べたところ、やはり超過していた場合もあったことが判明し、同品についても販売中止を決めた。

 なお、同社は「げんたそば」という食品でも特用の表示許可(低タンパク質食品)を取得している。同品に関しては分析の結果、タンパク質含量に関する不備なく、今後も販売を継続する。

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