消費者庁長官 取消し処分「考えていない」 キッセイの特別用途食品で(2016.11.10)

岡村長官修正①

 消費者庁の岡村和美長官は2日に開いた定例記者会見で、販売していた特別用途食品2商品のタンパク質含量が許可基準を超過していたキッセイ薬品工業㈱に対する今後の対応について、健康増進法に基づく表示許可取消しは行わない考えを示した。同社からの報告状況や販売中止をすぐに決めたことなどを踏まえ、「現段階では、悪質な『信頼関係』違反とは認定していない」と述べた。

 一方、特定保健用食品の関与成分について、キッセイ薬品と同様に品質管理を巡る問題を起こした日本サプリメント㈱に対して同庁は表示許可取消し処分を下しており、今後、対応に差を付ける合理的な理由を問われる可能性もありそうだ。ただ、キッセイ薬品では、品質管理に不備のあった2品目は失効届出(許可消滅事由該当届書)を提出することに決めている。

 岡村長官は、キッセイがタンパク質含量の許可基準について、プラス・マイナス20%以内ならば許容範囲だと誤認していたことについて、「日本サプリメントのように、不備であることを分かったまま2年以上も放置したのとは違う」などと述べ、悪質性はなかったとの見解を示した。逆に、日本サプリメントは悪質だったとの認識を暗に示した格好だ。

 また、キッセイの品質管理体制について、「薬品会社であり、品質管理については非常に丁寧、かつ誠実、かつ厳正になさっていることを私どもも理解している」と語り、同社自らが「適正な品質管理が実施されなかった」と認めている一方で、高く評価した。

 他方で、特別用途食品の品質管理については今後、「事業者に、定期的に外部分析機関による試験結果を報告させるようにしたい」と述べ、事後確認を厳格化していく考えを明らかにした。

【写真=岡村消費者庁長官】

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