沖縄県産もろみ酢 酒造各社で動き活発 (2016.11.24)


 沖縄県産もろみ酢の機能性表示食品化に向けた動きが活発化している。

 忠孝酒造㈱(豊見城市)がすでに届出申請を行っているほか、ヘリオス酒造㈱(名護市)も来年の申請に向けて研究開発に力を入れている。同県産もろみ酢は近年、販売が減少しており、沖縄県商工労働部も支援に乗り出している。地域の特産品として産業振興に繋げたい考えだ。

 もろみ酢は琉球諸島の独自蒸留酒である泡盛の製造過程で併産されるもろみ粕を圧縮ろ過したもので、アルコール分は除去され、クエン酸やアミノ酸が豊富に含まれる健康志向の清涼飲料水として利用される。
 県の特産品として市場拡大が期待されるものの、外国産の模造品が市場に流通していることなどから、ここ十年で需要は半分程度にまで減少している。

 こうした状況から、県商工労働部では、昨年の機能性表示食品制度の導入を背景に、「健康産業ブランド化推進基盤構築事業」の一環として、もろみ酢の機能性表示食品化を支援しており、各酒造会社も研究開発に拍車をかけている。

 このうち忠孝酒造㈱がすでに届出申請を行っている。関与成分は酵母由来のβ1.3/1.6グルカンとみられ、抗疲労やストレス緩和などがヘルスクレームとなる可能性もある。ヒト介入試験は琉球大学の協力で行った。

 ヘリオス酒造㈱も来年の申請に向けて研究開発に力を入れている。関与成分などを慎重に検討していく方針だ。もろみ酢の機能性表示食品化では、関与成分の同定や成分管理面で開発のハードルが高い。官民連携の北海道バイオ産業クラスターフォーラムもエビデンスの確立で協力している。

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