コラーゲンペプチド 脳機能改善の可能性 (2017.3.9)


 コラーゲンペプチドの摂取が脳機能改善に作用する可能性のあることが、内閣府の研究プログラムに採択された予備的臨床試験で示唆された。国際標準規格として利用が提案されている脳の健康指標に有意な改善が認められたもので、コラーゲンペプチドの摂取により脳神経線維の質が向上され、脳の情報伝達効率の増加に寄与する可能性があるという。

 コラーゲンペプチドを製造販売する新田ゼラチン(大阪府八尾市)が先月23日に発表した。内閣府の総合科学技術・イノベーション会議が推進する研究開発促進プログラム「ImPACT」内の脳科学分野研究プログラムに採択された実証トライアルの結果確認されたもの。同社では今後、「ブレインヘルス」分野におけるコラーゲンペプチドの機能性研究を推進していく方針だ。

 同社によると、研究では同社の社内モニター男女29人が同社製コラーゲンペプチド(豚由来)1日5㌘を1カ月間摂取し、脳に関する新たな健康指標「BHQ」を摂取前後で比較評価したところ、神経線維の質を表す「FA‐BHQ」の数値が有意に増加した(=図)。増加が認められたのは被験者全体の69%に当たる20名だったという。

 試験結果を受けて同社では、「今後、プラセボ対照臨床試験の実施などを検討していく」(ペプチド事業部)と話している。

 BHQを指標にした食品機能研究としては、カカオポリフェノールが多く含まれるチョコレートを使った実証トライアルが昨年実施されており、大脳皮質の量を表す「GM‐BHQ」の有意な増加が確認されていた。試験の結果被験者の6割30名中18名)で数値の増加が認められたといい、「試験結果は脳が若返る可能性がある」などと報道され、社会的にも話題になっていた。

 BHQを指標にした実証トライアルは、ImPACTの脳科学分野プログラム「脳情報の可視化と制御による活力溢れる生活の実現」が15年度より進めている「BHQチャレンジ」の採択研究として実施されたもの。同プログラムのマネジャーを務める山川義徳氏は、「継続的に検証と解析を行うことが期待または要請されることは言うまでもない」などとしている。

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