岐阜県産トウゲシバで脳機能対応サプリ (2017.5.11)

06トウゲシバ_写真③

 岐阜県内に自生するシダ植物「トウゲシバ(=写真)」の抽出物を使った「認知症予防サプリメント」を、岐阜薬科大学や同県を拠点とする健康食品受託製造企業のアピ㈱らが開発し、早ければ来春にも最終製品化する。トウゲシバの茎や葉に含まれる成分、ヒューペルジンAの機能性に着目したもので、同成分には、脳内の神経伝達物質の一つであるアセチルコリンの分解酵素の働きを阻害する働きがあることが確認されている。

 岐阜県産トウゲシバを活用した認知症予防サプリメントの開発・製造は、産官学連携プロジェクトとして進めているもので、岐阜県をはじめ岐阜薬科大、河村病院、アピ、木の国が参画。このプロジェクトは、2015年、河村病院の「もの忘れ外来」で認知症専門に担当する田平武医師と同大の共同研究成果をきっかけに、認知症予防サプリメントの開発を目指す目的でスタートしていた。

 プロジェクトでは、県内農林事業者の木の国が県産トウゲシバの安定供給をできる体制を整え、岐阜薬科大とアピが、ヒューペルジンAを規格化したトウゲシバエキスの抽出法や最終製品化に向けた研究開発を行い、健康な人が認知症予防のために活用できる品質の高いサプリメントの市場導入を目指す。

 岐阜県産トウゲシバエキスの認知機能改善作用は、これまでにマウス試験などで確認されており、今後、軽度認知症を対象にした臨床試験のほか、安全性試験などを進める予定。国産のトウゲシバを使ったサプリメントは日本初になるという。

【写真=岐阜県内に自生するシダ植物「トウゲシバ」】

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