ビルベリーエキス 眼疲労改善 第三者評価再び (2017.5.25)


 日本アントシアニン研究会(矢澤一良会長)が7月26日に開催する第6回研究会の中で、ビルベリーエキスの眼疲労改善効果に関する科学的根拠の質について、第三者有識者による評価発表が行われることが分かった。第三者評価を行うのは、消費者庁が2011年度に実施した「食品の機能性評価モデル事業」で評価パネルを務めた複数の識者。同事業の後、ビルベリーエキスの同作用を報告する査読付きRCT(ランダム化比較試験)論文の数が増えていることもあり、現状に則した第三者評価が改めて行われる必要があると判断した。

 第6回研究会は7月26日午後1時から5時頃まで、東京ビッグサイト内の会議棟で開催される。当日は、国立医薬品食品衛生研究所の合田幸広氏、日本健康食品規格協会の池田秀子氏、慶應義塾大学医学部眼科学教室教授で同研究会名誉会長の坪田一男氏らの講演も予定されている。

 ほかに、研究会会員企業による最新RCT研究結果の発表を2演題で予定。登壇各氏の講演内容は現時点では未定だが、合田氏は、「機能性関与成分の定義を考える」を仮題とする演題が現在予定されている。

 ビルベリーエキスの眼疲労改善効果の科学的根拠の質を評価する第三者委員は、モデル事業で評価パネルを務めた唐木英明氏(東京大学名誉教授)、日比野康英氏(城西大学教授)のほか、加藤久典氏(東京大学教授)の3有識者が担当することが現在までに決まっている。

 評価方法は、まず、モデル事業の「機能性評価専門チーム」に相当する調査チームを研究会会員企業で構成し、科学的根拠情報の収集や機能性評価などを行う。評価基準についてはモデル事業の評価基準をベースにするものの、同一にはしない。機能性表示食品制度を意識し、評価対象にするのは原則としてRCT論文に限るなど異なる部分がある。そのようにして調査チームが評価した科学的根拠の質を、評価委員が開催当日までに議論、評価・判定し、その結果を当日発表。当日は、評価委員が評価理由についても詳しく説明する予定だ。

 モデル事業では、評価パネルが「科学的根拠レベル総合評価」として、調査対象成分の評価結果をAからEまでの6段階に分類していたが、それと同様の評価判定を今回行うかどうかは現時点では決まっていない。これについては「評価委員の先生方がどのように考えるか次第」(矢澤会長)となるようだ。

 ビルベリーエキスの眼疲労改善効果を報告する査読付きRCT論文の発表件数は、モデル事業以降に大きく増加し、昨年末までに日本だけで計8報も出ている。

 モデル事業ではビルベリーエキスも評価対象となり、視機能改善(視力回復、眼精疲労改善)に関する科学的根拠の質が評価された結果、総合評価は「C」。「根拠となる論文が少なく、質も低い」(モデル事業報告書)などと指摘されていた。当時とは状況が大きく異なる中で、評価委員はどのような学術的な判断を示すのか。当日の発表が注目されそうだ。

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