コラーゲン 市場縮小傾向に歯止め 販売量前年並み維持 (2017.5.25)


 コラーゲンペプチド市場の減少傾向に歯止めがかかったようだ。原料大手のニッピ、新田ゼラチンも加盟する日本ゼラチン・コラーゲンペプチド工業組合(GMJ)が15日公表した、組合加盟企業6社を集計対象にした2016年度のコラーゲンペプチド販売量は、4867㌧と2年連続で4800㌧台をキープ。前年度比は0.4%減とほぼ横ばい。ゼラチンの販売量も前年度並みとなった。

 調査対象企業は、GMJに加盟するニッピ、新田ゼラチンのほかゼライス、野洲化学工業、旭陽化学工業、宏栄化成の6社。いずれもコラーゲンペプチドおよびゼラチンの製造販売企業。GMJは年度ごとの販売量を毎年5月に公表している。調査対象企業はほぼ変わっていない。

 この調査でコラーゲンペプチドの販売量は、2010年度の5342㌧をピークにマイナス推移が連続し、14年度に4364㌧まで下落。ただ翌15年度はインバウンド需要も追い風となり、4886㌧まで回復していた。

 16年度の販売量を用途別に見ると、主に健康食品用途の「食用」は4153㌧、前年度比は2.4%(103㌧)のマイナスだった。背景にはインバウンド消費の低迷があるとみられるものの、4100㌧台は維持。販売量が最低だった14年度は3876㌧と4000㌧台を割っていた現実を踏まえれば、国内需要の減少傾向は15年度に底を打ち、回復基調に入った可能性がある。

 一方、16年度に特に伸長した用途は「輸出」。前年度比14%増の581㌧と70㌧あまり増加した。販売量ピーク時の10年度と比較すると、469%近い伸びを示している。そのほかの用途別販売量は、「医薬用」が82㌧、「工業用」が51㌧と二ケタ台にとどまる。

ゼラチンも堅調 食用が好調 5年連続増に
 GMJ加盟6社の16年度度ゼラチン販売量は1万6683㌧だった。前年度比は0.7%減の微減。14年度以降は減少傾向が続いているものの、1万6000㌧台を維持している。

 用途別の販売量に関しては、「食用」は前年度比2.1%増(248㌧増)の1万1814㌧と5年連続で前年度を上回った。グミキャンディーやレトルト惣菜向けで販売量が伸びている。

 一方、6社の中では新田ゼラチンが主に手掛けている「輸出」は2431㌧と、前年度に対して約350㌧(12.6%)のマイナスになった。輸出は13年度の3442㌧をピークに減少傾向が続いており、GMJ関係者によると要因は、「北米でのサプリメント向けソフトカプセル需要の減少」。特に、フィッシュオイルの市場回復の遅れが影響しているという。

 ただ、日本国内のソフトカプセル向け販売量は比較的堅調のようだ。健康食品・サプリメントを含むソフトカプセル用途(医薬用)の販売量は1593㌧と、前年度と比べて25㌧(1.6%)増加している。
 そのほかの用途の販売量は「写真用」が709㌧、「工業用」が136㌧といずれも減少した。

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