機能性表示食品 グルコサミン また届出撤回(2017.6.22)


山田養蜂場が3件同時に
 「グルコサミン」を機能性関与成分名にした機能性表示食品の撤回届出を通信販売大手の山田養蜂場(岡山県苫田郡)が消費者庁に提出し、19日付で受理された。届出3件を一斉に撤回しており、いずれも撤回理由は「機能性関与成分名称の変更のため」。同じ理由でグルコサミン原料大手の甲陽ケミカルも先月、2件の届出を撤回していた。

 山田養蜂場が届出を撤回したのは「グルコサミン」「グルコサミンEX」「ローヤルグルコ」の3品でいずれもサプリメント。このうち「グルコサミン」はすでに発売を開始しており、今後は健康食品として販売を継続する方針。機能性表示食品と表示できなくなることに伴う商品回収などは行わない考えで、定期購入者などに対しては、「中身はまったく変わらないことを説明する」(広報担当者)。

 同社によると、届出を撤回したのは成分名称を「グルコサミン」から「グルコサミン塩酸塩」に変更するため。甲陽ケミカルも同じ理由で「届出をいったん取り下げる」などと説明していた。現在、機能性関与成分名を「グルコサミン」とする届出は他にも7件あり、名称変更を理由にした届出撤回の流れが、他の届出者に伝播していく可能性が無視できない。

新規届出は「検討」
 山田養蜂場は、機能性関与成分名をグルコサミン塩酸塩に変更した上で新規の届出を行うかどうかについては現在「検討中」と回答するにとどめており、今後に関しては不透明だ。また同社は、グルコサミンの正式名称はグルコサミン塩酸塩だとする認識を示すとともに、機能性関与成分の名称変更は変更届出の対象外で、新規の届出が必要だとしている。

 ただ、既存添加物リストには「グルコサミン」の名称で登録されており、グルコサミン塩酸塩を正式名称と見なせるかは微妙。そもそも生体内で機能性を発揮するのはグルコサミン塩酸塩ではなくグルコサミンそのものだという指摘もある。

 また、ガイドラインには機能性関与成分を変更する場合は新規の届出を求める旨が記載されているものの、名称変更については記載がない。いずれにしても、グルコサミンからグルコサミン塩酸塩に名称変更したところで、機能性や機能性関与成分含量は変わらないと考えられる。

 一方、機能性関与成分の単なる名称変更を理由にした相次ぐ届出撤回を受け、業界内では科学的根拠など、成分名称以外の課題が何らかあったとの推測も言われ始めた。

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