カジメ抽出物 睡眠サポートの新素材 韓国でヘルスクレーム許可(2017.6.22)


 睡眠改善機能が臨床試験で確認済みの新素材をビーエイチエヌ(東京都千代田区)が今月発売した。海藻の一種であるカジメの抽出物。睡眠効率を高めたり、睡眠の質を向上させたりする機能性を持つことが確認されており、韓国の個別認定型健康機能性食品制度で「睡眠の質改善をサポートし得る」とのヘルスクレームの表示許可を受けている。日本での発売は今回が初めて。

BHNが新発売
 BHNが新発売したカジメ抽出物の製品名は「SleepKol( スリープコル)」。総輸入元ヘルシーナビ、総販売元BHNの体制で、機能性表示食品制度に近い将来対応することも視野に入れながら、睡眠サポート機能の新規素材として売り込む。現状の1日あたり有効摂取目安量が500㍉㌘とやや多いため、今後、開発元とも連携しながら、その半量程度でも同様の機能性を得られるかどうかを検証していく計画だ。

 この素材の製造元は、韓国の機能性食品素材製造企業のKGCライフ&ジン社。済州島産乾燥カジメの葉と幹を原料とし、睡眠改善効果が報告されているフロロタンニンの一種ディエコールと、総フロロタンニン(ポリフェノールの一種)を有効成分として標準化したカジメ抽出物を韓国内で製造し、BHNらを通じて日本市場に供給する。

 また、同素材を開発したのは、韓国内の睡眠科学者やKGC社の関連企業で、済州島周辺に生息する多くの海藻類のうち、カジメはフロロタンニンが最も多く、かつ抗酸化力が高いことに着目して開発した。

 BHNによると、作用メカニズムは不眠症治療に用いられるベンゾジアゼピン系薬剤とほぼ同様であることが分かっているが、活性化させるのは特定のGABA受容体に限定されるため、効き過ぎることはないとしている。また、論文発表もされている臨床試験結果では、覚醒時間の減少、レム睡眠時における呼吸障害指数の減少について、プラセボ群との比較で有意差を示した。ほかに、動物試験では、睡眠改善ハーブと知られるバレリアンを上回る睡眠改善効果も示唆されている。

 食品素材の睡眠改善機能を検証する臨床試験で、睡眠時の呼吸器障害の改善度合いを調べた事例は少ないと考えられることから、同社では、「エビデンス面で差別化できる」としている。また、機能性表示食品の機能性関与成分としても、睡眠に関する機能を訴求できる成分は現状限られることもあり、同社が先月出展した展示会で案内を開始して以降、さっそく多くの問い合わせを受けているという。

 カジメは、次回の食薬区分改正で、専ら非医薬品リストに事実上追加される見通し。
 食薬区分を審議する有識者ワーキンググループは今年2月、安全性に問題はないと考えられるため専ら非医薬品リストに加えることが妥当と判断。これを受け厚生労働省は、カジメは現行の専ら非医薬品リストにある「カイソウ(海藻)」の部位に含まれるものと整理する考え方を示している。

Clip to Evernote

ページトップ