研究レビューの見直し理由に撤回 グルコサミンで4社目 成分名に「塩酸塩」の表記(2017.8.3)


 医薬品・健康食品通販の富山常備薬グループは、消費者庁に機能性表示食品として届け出ていたグルコサミンのサプリメントの届出を、1日までに撤回した。撤回理由は「研究レビューの見直しの為」。今年5月26日に届出情報が公開されたばかりだった。販売開始前の撤回。

 これでグルコサミン機能性表示食品の届出撤回は4社7商品となった。これまでに甲陽ケミカル(2商品)、山田養蜂場(3商品)、日英物産(1商品)が撤回している。

 ただ、今回のケースは、他の3社6商品とは異なり、機能性関与成分名を「グルコサミン塩酸塩」として届け出たもの。甲陽ケミカルなど3社が届け出ていた関与成分名は「グルコサミン」で、いずれも撤回理由は「機能性関与成分名称の変更の為」としていた。

 一方、今回のケースも、機能性の科学的根拠については関与成分の研究レビューを届け出ており、最終的に採択した2つの文献は他の3社6商品の研究レビューと同じ。つまり届出が撤回された4社7商品の研究レビューと届出表示は、実質的に同じ内容となっている。

 研究レビューの見直しを理由にした届出撤回が行われたことで、届出の事後監視に起因すると推測されるグルコサミンの届出撤回問題は、新たな局面を迎えた。機能性関与成分名だけの問題ではないことが浮き彫りになったためだ。撤回された4社7商品と実質的に同一の研究レビューや表示を届け出ている企業は他にも複数あり、影響のさらなる広がりが強く懸念される。

 グルコサミンをめぐる相次ぐ届出撤回を受け、業界内からは、届出表示に注目する見方も示されはじめた。全てに共通して、医薬品の効能・効果でも現状認められていない表現とみられる、「軟骨成分の過剰な分解を抑える」というヘルスクレームが含まれるためだ。

 富山常備薬グループは、消費者庁から届出内容に関して何らか不備を指摘されたかどうかについて、「コメントは差し控えたい」としている。

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