消費者委食品表示部会 原料原産地制度改正 答申案まとまる(2017.8.10)


 消費者委員会の食品表示部会(部会長・阿久澤良造・日本獣医生命科学大学学長)は7月28日、加工食品の原料原産地表示制度改正に関する答申案をまとめた。9月にも内閣府令(食品表示基準改正)が施行される見通しだ。

 答申案は10項目の前提条件、2つの修正点、3つの付帯意見を添付する形となり、特に前提条件のひとつに盛り込まれた「経過措置期間終了から2年後を目途として(中略)制度の見直しを実施する」(前提条件⑩)は、「かなり異例の内容」(樋口一清部会長代理・法政大学大学院教授)とされた。

 前提条件はこのほかに、「消費者・事業者の理解状況に関する目標値の設定」、「監視体制・運用が整っていることが必須」、「表示全体のうち例外表示の割合の調査」などが盛り込まれた。

 修正点は、①経過措置期間を当初案から2年延長して2022年3月31日までとする②「その他」表示の要件を一部変更の2つ。

 ②は、改正案で「その他」表示の用件として、「原産地が3つ以上ある場合は、重量順に原産地を2つ以上表示し、その他は『その他』と表示する」が規定されている一方で、別の条項では、一定期間使用割合が5%未満の場合についての表示用件(原産地表示の後に括弧書きで5%未満の旨を記述)も規定している。

 修正では、「『その他』表示に5%未満表示を義務付けない」と明文化することで、「その他」表示に該当する原材料が複数国で重量割合5%未満の場合は、5%未満と括弧書きをしなくてもよいこととした。

 日本チェーンストア協会の岸克樹委員と日本生活協同組合連合会の井之上仁委員が、「答申案に賛成できない」と表明したが、阿久澤部会長が議論を引き取るかたちで、答申案をまとめた。


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