東京都買上調査 健食からイブプロフェン検出 新たな違法パターンか(2017.9.7)


 東京都は8月22日、5つの健康食品から、イブプロフェン、ジメチルジチオデナフィルなどの医薬品成分が検出されたと発表した。健食から鎮痛剤などに使用されるイブプロフェンが検出されるのは異例で、都では新たな違法パターンの可能性もあるとして、監視を強めていく方針だ。

 今回、医薬品成分が検出された商品は、①「スーパーイヌトウキ」(販売元・㈲ギーハ・アグロ・ジャパン、東京都葛飾区)②「蔵秘強腎王」(製造・輸入者など邦文記載なし)③「Dark Horse黒馬」(同)④「ROCK SOLID」(輸入者・オリンド美粧㈱、横浜市)⑤「PRO enhance」(同)―の5つ。

 検出成分は①がイブプロフェン、②と③がシルデナフィル、④と⑤がジメチルジチオデナフィルで、特にイブプロフェンは1カプセル中に170㍉㌘と「大量に含有」(健康安全部薬務課)していたという。

 イヌトウキ(日本山人参)に天然のイブプロフェン成分は存在せず、都の健康安全部薬務課では、「体の痛みを訴えることの多い高齢者層をターゲットに大量のイブプロフェンを配合したのではないか」と見ており、「消化性潰傷など副作用が懸念される」としている。

 薬機法違反となる健食からの医薬品成分検出は、これまで男性機能関連のシルデナフィルが検出されるケースが多かったが、今回、イブプロフェンが検出されたことで、「違法パターンが高齢者向けの鎮痛関連に変化している可能性もある」(薬務課)として、都では監視を強めていく方針。鎮痛関連成分の安易な摂取は、常用化のおそれもあり、大きなリスクも懸念されるという。高齢者向け健食も監視強化の対象になりそうだ。

 都では5つの商品を販売した豊島区、葛飾区、江戸川区の店舗に販売中止と自主回収を指示するとともに、製品④と⑤の販売者を管轄する横浜市に通報したほか、都のホームページに情報を掲載し、注意を呼びかけている。


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