アフリカマンゴノキ 初の届出 「体脂肪減らす」 (2017.10.26)


 18日にあった機能性表示食品の届出情報更新で、「アフリカマンゴノキ由来エラグ酸」を機能性関与成分にしたサプリメントの届出が追加された。既存届出には無い新規成分。届出表示は「肥満気味の方の体脂肪、中性脂肪を減らすことをサポートし、高めのBMI値の改善に役立つことが報告されています」。

 届け出たのは、エラグ酸1%含有アフリカマンゴノキエキス「IGOB131」の原材料供給を手掛ける龍泉堂(東京都豊島区)。研究レビューなどで採用、引用した文献の全てはこの原材料を使用したもの。他にも複数社が届出資料を消費者庁に提出しており、今回の初受理を機に、今後、届出実績が大きく積み上がる可能性がある。

 同社の取り扱い原料が機能性関与成分となったのは2例目で、関節ケアの非変性Ⅱ型コラーゲン(UC‐Ⅱ)に次ぐ。UC‐Ⅱと同様に、米国の第三者専門機関が最終的な分析や評価を実施した研究レビューを届け出ており、受理を受けて同社は今後、最終製品販売会社等への届出サポートを加速させる。UC‐Ⅱはこれまでに25件が届け出られている。

 今回の届出を巡っては、新たな機能性関与成分が受理されたことの他に、龍泉堂が設定した「当該製品が想定する主な対象者」に注目する向きもある。研究レビューの内容に合わせ、「肥満気味(BMI値25以上30未満)の健康な成人男女」などと対象者のBMI値の範囲を具体的に書き込んだ。このような届出は例がないとみられる。広告宣伝に絡む表示でも、対象者をはっきり示すことで、消費者はより適切な商品選択を行えるようになりそうだ。

 また、同原料の実体は抽出物だが、機能性関与成分以外に含まれる成分が届け出た機能性に関与しているわけではないことを、届出資料の作用機序の部分で説明した。

 届出資料を確認する消費者庁は最近、抽出物に限らずその他の成分も同時に含むような機能性関与成分を巡り、その他の成分が関与していないかどうかの説明を届出者に求めている。今回の届出は、「そうではない」と言える科学的根拠を示すことで、同庁の納得を得たことになる。

 アフリカマンゴノキは中央・西アフリカなど熱帯地方に自生するニガキ植物の一種。サプリメント用の抽出物に用いられるのは種子で、食品区分の非医薬品リストにも収載、また韓国では体重減少作用に関するヘルスクレームが許可されている。日本でIGOB131の供給が始まったのは2011年。米国市場で先んじて、体重管理(ウエイトコントロール)サプリメント素材として人気を博していたこともあり、日本でも複数の販売大手が採用した経緯がある。

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