変化する小売業界 DgSが〝ひとり勝ち〟状況 (2018.2.22)

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 健康志向の高まりを背景に、健康食品への注目度が一段と高まっているが、その販売チャネルの一つである小売業界は、少子高齢化や人口減少に伴い、大きく変化しつつある。経済産業省がこのほどまとめた2017年の商業動態統計でも、そうした状況が如実に垣間見える。

 経済産業省は1月30日に2017年の商業動態統計を公表したが、今回の統計は、小売業界の構造変化が如実に浮かび上がる結果となった。

 2017年の商業動態統計のうち、健康食品の販売ルートの一つであるドラッグストア(DgS)は、年間販売額が6兆295億円とついに6兆円の大台に乗せた。2015年は5兆3600億円だったので、2年で7000億円弱伸びたことになる。

 DgSの商品別販売額のうち、健康食品もDgS店舗数の拡大に伴って、ほぼ全ての月で前年同月比プラスを記録し、年間販売額は2060億円と2000億円に到達した。

 しかし、16年の1970億円から約90億円の増加に止まるため、DgS店舗数の増加(16年1万4190店、17年1万4902店)を考慮すれば、1店舗平均では健康食品の販売額は減少している。

コンビニは成長減速
 一方、コンビニエンスストア(CVS)の2017年商品販売額(サービス売上高含まず)は11兆990億円。DgSと同じく15年の10兆3947億円から2年で約7000億円増加したが、対前年伸び率は、15年の5.1%、16年の4.1%に対して、17年は2.3%と鈍化傾向が明確になりつつある。店舗数は15年の5万4505店から17年5万6374店と2年で1869店の増加となっている。

 17年の月次商品販売額の対前年同月増減比では、プラス3%台を記録した月が4回に止まり、同0%~1%台が5回に増加した。ただ、CVSはサービス売上高が依然として高い伸びを示しているため、全体としてはまだ拡大しているといえるが、CVS市場は飽和状態になりつつあるといえるだろう。

DgSの〝ひとり勝ち〟だが
 すでに多くの報道にあるように、百貨店とスーパーは販売額の減少が続いている。百貨店は15年の6兆8257億円から17年は6兆5531億円。スーパーは同13兆2233億円から同13兆496億円にそれぞれ減少しており、両業種は縮小トレンドにある。

 また、家電大型専門店とホームセンターも同様に販売額の減少が続いており、小売業界の中ではDgSの“ひとり勝ち”状態になっていることが、2017年の商業動態統計からはっきりとうかがえる結果となった。

 ただし、統計の数字からも明確なように、DgSの“ひとり勝ち”は、食料品販売(生鮮品除く)の高い伸びに支えられたことが最大の要因だ。DgSの特徴である調剤医薬品やOTC医薬品も好調だが、食料品はそれを大きく上回っている。

 DgSの食料品販売額は17年1兆6138億円とすでに商品別で最も大きなものとなっており、対前年伸び率も17年8.2%、16年11.4%、15年8.8%といずれも商品別で群を抜く最も高い数字を示している。

 一方、調剤医薬品・OTC医薬品の販売額は、17年1兆2434億円で、対前年伸び率は2.1%。伸び率はここ数年下がり気味だ。

健食業界はチャンス生かせるか
 小売業界で唯一好調を維持するDgSだが、その要因は、国民のライフスタイルの変化や商圏の狭小化を背景に、医薬品を含むヘルスケア関連商品を軸に食料品、日用品まで購入できる品揃えが、消費者のニーズと上手くマッチしたことがあるといえよう。特に健康への関心の高まりは、消費者のDgSへの注目度を高めている。

 また、DgSが「家から近い手頃なサイズのスーパー」として、購入にクルマが必要な大規模スーパー(ショッピングセンター)、距離は近いが品揃えと価格面で購入が限られるCVSのすき間を埋めているのも、要因の一つにあるのかもしれない。

 いずれにしろ、すでにDgSの棚を確保している健康食品業界にとっては追い風の状況。このチャンスをどう生かすのか。

【写真=イメージ写真】


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