明治 プロテインの新工場建設 生産能力年1万t以上(2018.2.22)


 明治は13日、岡山県倉敷市にプロテイン「ザバス」、「アミノコラーゲン」を生産する新工場を建設すると発表した。投資額180億円、年産能力1万1000㌧とプロテイン生産設備としては異例の大型工場となる見通しだ。稼動は2019年11月を予定しており、同社では新工場建設により、プロテイン生産量を2倍に拡大するとしている。

好調「ザバス」の生産能力強化
 新工場が立地するのは、倉敷市の玉島ハーバーアイランド(水島港玉島地区)で、水島工業地区に隣接する埋め立て地域。岡山県は同地への企業誘致に力を入れている。

 新工場の延床面積は約3万㎡、年産能力は約1万1000㌧で、国内のプロテイン生産施設としては異例ともいえる大規模なものになる見込みだ。着工は4月の予定で、2019年11月の生産開始を目指す。

 生産する主力製品は、プロテイン「ザバス」(粉末タイプ)で、他に「アミノコラーゲン」(同)も生産する。「ザバス」と「アミノコラーゲン」ともに、同社のヒット商品とも呼べるもので、「ザバス」はアマゾン通販の2017年サプリメント部門で1位。「アミノコラーゲン」はコラーゲンペプチド市場の拡大をけん引した大型ブランド。

 プロテイン市場は2015年頃から急速に拡大しており、明治によると、市場規模は15年の約220億円から17年は約300億円に膨らんでいるという。こうした状況を背景に、同社では新工場の稼動により「ザバス」の生産量を現状の2倍に増強するとしている。

 明治の「ザバス」(粉末タイプ)は、現在、岡山県笠岡市にあるグループ会社「岡山県食品株式会社」で全量生産されている。同社はもともと明治の直営工場だったが、1948年にグループ会社となり、95年からプロテインの生産を開始している。

生産体制を再編か
 生産品目は粉末製品、ゼリードリンク、デザート関連製品で、明治製品ほか、千疋屋総本店、ニュートリー、文明堂東京など多くの食品メーカーの製造受託事業を行っている。

 今回、明治が同じ岡山県内に直営の大型新工場の建設を決めたことで、「岡山県食品」も含めたプロテイン生産体制の再編に取り組むのか、明治では「現在、検討を続けている」(広報部)としている。プロテインは原材料の需給がタイトになりつつある。

 「ザバス」の売上は「非常に好調」(同)の模様で、同社のスポーツ栄養事業の2017年度売上高は、前年度比17%増の202億円に伸びている。



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