ファンケル新中計 20年度、売上高1260億円へ (2018.4.12)

ファンケル島田社長③

 ファンケルは、2018年度を初年度とする3カ年の第2期中期経営計画を策定、発表した。20年度以降に計画する海外事業の本格成長に向けた種まきの時期とし、化粧品、サプリメントなど既存事業を伸ばしつつ新規事業にも取り組み、20年度の売上高1260億円の達成、営業利益を過去最高益の126億円に引き上げる。

 3月23日、新中期経営計画説明会で発表した。同社では18年度の業績について、前中計で推進した広告先行成長戦略により業績がV字回復、11年ぶりとなる過去最高売上の1075億円、営業利益は77億円の見通し。

 新中計では、サプリメントで中国事業の開始、化粧品のアジア拡大と北米再強化といった海外の事業領域の拡大を推し進める。

 サプリメント事業では、「カロリミット」「えんきん」に続くスター製品の育成を進め、その3つ目の候補として体重・体脂肪の減少をヘルスクレームとする機能性表示食品の「内脂サポート」を育てる方針。また、問診により最適な素材を選択するパーソナルサプリメントの投入や、昨年来進めるダイドードリンコやネスレとの共同開発商品といった企業との協業によるBtoBビジネスの強化を図る。

 サプリの国内市場の推進とともに、海外も進展させる。特に、中国を最重要市場と位置付け、アジア以外の地域への進出も計画。昨年に代理店契約した国薬国際を通じて中国市場を開拓する。20年度の販売開始に向け、まずは大手ECサイト、旗艦店を手掛け、第2ステップとして病院など医療関係施設やBtoBの事業化を見据える。

 これら国内外のサプリ事業の展開で、20年度までにサプリ事業単体で17年比で60億円の上乗せを見込む。

 一方、主力の化粧品事業では、ファンケルブランドの多角化を図る。「濃縮・無添加」のコアブランドを中心に、パーソナルで高付加価値のプレミアム、効率や手軽さを重視するラインといったターゲット別にブランド体系を構築する。海外ブランドのボウシャでは、既進出国の北米を強化するとともに、欧州や中近東への開拓を推し進めるなどグローバル展開を加速させる。

 広告戦略では、年間150億円台の広告費を継続させ、同社のスタンスメッセージ「正直品質。」の企業広告とともに、ネットを中心とした製品広告を打ち出し、ブランド価値の向上を図る。

【写真=新中計を発表する島田和幸社長】

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