グルコサミン塩酸塩 プロケミが新届出 訴求刷新 (2018.4.26)


 グルコサミン塩酸塩を機能性関与成分とし、膝関節への機能を訴求するサプリメントの新たな届出を、消費者庁が11日、公開した。グルコサミン供給大手のプロテインケミカルが届け出たもの。同社は以前にも同様の届出を行っていたが、今回届け出たヘルスクレームは以前と異なる。「関節軟骨」を無くし、新たに「膝関節」を盛り込んだ。

 同社は今後、今回受理された届出の研究レビューを生かし、原材料ユーザー各社への届出サポートを進めたい考え。新たに届け出たヘルスクレームは次の通り。「グルコサミン塩酸塩は膝関節の可動性(曲げ伸ばし)をサポートし、膝の不快感をやわらげることが報告されており、膝関節の動きに悩みのある方に適しています」

 一方、以前の届出(番号B104)のヘルスクレームは次の通りだった。「グルコサミン塩酸塩は運動や歩行など関節への負荷に伴う軟骨成分の過剰な分解を抑えることで、関節軟骨を保護することが報告されており、関節の健康(運動や歩行時)が気になる方に適しています」

 新旧のヘルスクレームを比較すると、新たな届出では「軟骨成分」や「関節軟骨」への機能性を説明する文言が消え、「膝関節」への働きを直接的に訴求する内容に切り替わった。この理由についてプロテインケミカルは、「第一に、軟骨よりも膝関節を言いたい(訴求したい)という(顧客ユーザーからの)要望に応えた」としている。

 同社は昨年9月、グルコサミンおよびグルコサミン塩酸塩を機能性関与成分にした機能性表示食品の届出撤回が相次ぐ中で、B104について変更届を実施。おもな変更点は研究レビューの刷新で、採択文献を2報から6報に拡充した。これにより「撤回を回避した」との見方も同社以外の業界関係者から出ていたが、ヘルスクレームには手を付けていなかった。

 グルコサミン塩酸塩の届出受理はおよそ4カ月ぶり。その前に受理された届出は、グルコサミンの届出を一度撤回した経緯が企業によるものだが、やはり、ヘルスクレームから「関節軟骨」を無くす形で新規届出を行った。グルコサミンの機能性表示食品で関節軟骨への働きを訴求するには、プラセボ対比で有意差を示す新たな査読付き臨床試験論文の登場を待つしかなさそうだ。関節軟骨代謝マーカーを主要指標にした研究も、機能性表示食品の届出に関しては、再考を求められる可能性も考えられる。




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