厚労省 食事摂取基準の見直しに着手  高齢化対策に重点(2018.5.10)


 厚生労働省は4月20日、第1回「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」(座長・伊藤貞嘉・東北大学大学院医学系研究科教授)を開き、食事摂取基準の見直し作業をスタートした。超高齢社会をにらみ、高齢者の低栄養やフレイル予防のための目標量、高齢者の体重当たりの摂取基準などを新たに設定する見込みだ。小児で一部未設定だった基準も設定する。検討会では来年3月に報告書をまとめる方針。新基準の告示は2019年度中の見通しだ。

 検討会では、5月31日開催予定の次回会合で策定方針を決定し、以後はワーキンググループ(WG)を設置して、個別課題を議論。秋から3回程度の会合を開き、来年3月までに報告書をまとめる予定。新たな基準の告示は2019年度中に行われる見込みだ。

 現行の基準は2015年版の食事摂取基準。2005年に「食事摂取基準」の概念が全面的に導入されてから4度目の改定となる。以前は「日本人の栄養所要量」として策定されていた。

 改定のポイント(別表参照)は、超高齢社会を背景に、健康寿命の延伸に向けた高齢者層の摂取基準の充実が中心となる見通しだ。

 高齢者の低栄養・フレイル予防のための目標量を設定するほか、高齢者の個人差に対応した体重当たりの摂取基準、高齢者の年齢区分の細分化などを検討する。また、現行基準では、各栄養素の記載内容を18歳以上の年齢でまとめて記しているが、新たに高齢者の項目を設けることも議論する。

 他方、政府全体で取り組んでいる「EBPM」(根拠に基づく政策)促進の観点から、食事摂取基準についても、国際的研究動向を反映しつつ、レビューの透明化、エビデンスレベルの記載などを充実させる。このほか、小児に関して未設定となっている摂取基準について、基準を策定する考えだ。

 14年の前回改定は、生活習慣病の予防および「重症化の予防」に力点を置いており、これに基づき食事摂取基準の対象範囲を、従来の健常な人から、「健康な者および健康な人を中心として構成されている集団」とし、高血圧や脂質異常、高血糖、腎機能低下のリスクを持つ人など保健指導レベルの層まで拡大している。一方で、高齢者層に関しては、「詳細な年齢区分設定が必要」としながらも「十分な知見が得られず今後の課題」とされていた。

 また、前回改定では、生活習慣病予防と高齢者の低栄養予防の観点から、エネルギー指標を見直し、エネルギー摂取量・消費量のバランスを維持する指標として、「BMIの範囲」(体格)も導入している。

 今回の改定では、生活習慣病の予防に引き続き取り組むと同時に、前回から積み残している高齢者層の対策強化により重点を置いたものになる見通しだ。20年の東京国際栄養サミットも視野に入れる。


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