過去最高販売量を記録 コラーゲン、17年度5800t GMJ6社集計(2018.5.24)


 2017年度のコラーゲンペプチド販売量は少なくとも5800㌧に上ることが、日本ゼラチン・コラーゲンペプチド工業組合(GMJ)の調べで分かった。ニッピや新田ゼラチンなど、コラーゲンペプチドやゼラチンの製造販売を行うGMJ加盟企業6社の販売量を集計したもので、ルスロゼライスなど非加盟企業の販売量は含まれない。前年度に比べて1000㌧近くも増加し、調査開始以来の過去最高販売量を記録した。

 16日までに集計結果を公表した。GMJは2001年度以降、組合員企業のみを対象に、コラーゲンペプチドとゼラチンの年間販売量を毎年度調査している。これまでのコラーゲンペプチドの最高販売量は、10年度に記録した5342㌧。以降、減少傾向で推移していた。

 17年度販売量の前年度比は19.2%増で、2年ぶりのプラス。販売量の内訳をおもな用途別にみると、全体の約8割を占める「食用」は、同14.9%増の4772㌧と前年度から約620㌧増加。また、原材料としての「輸出」は901㌧となり、前年度比は69.8%プラスと大幅な伸長を示した。その他は、「医薬用」が74㌧(9.8%減)、「工業用」が53㌧(3.9%増)となった。

 「食用」の販売量推移をみると、17年度は、10年度に記録した過去最高販売量の5065㌧に約300㌧及ばなかった。そのため、17年度が過去最高販売量を記録した背景には、「輸出」の大幅増がある。ただ、「食用」の販売量が最も落ち込んだ14年度の3876㌧と比べると約900㌧も増えた。11年度以降は減少傾向での推移が続いてきたが、17年度は完全に底を打った格好といえそうだ。

 17年度の販売量伸長の要因についてGMJでは、コラーゲンの摂取による床ずれ改善などの機能性を伝えた昨年3月のNHK番組『ガッテン!』の効果が持続し、「新規ユーザーや回帰ユーザーの獲得」につながったほか、「中国人を中心とした外国人観光客による日本のブランド商品の大量購入の寄与も見逃せない要因」と分析。これらに加え、特に東南アジアを中心にした海外への原材料輸出が大きく増加したことがあるとしている。

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 この勢いは今年度の18年度も続くのか。懸念材料を挙げるとすれば、魚由来コラーゲンペプチドの値上げ圧力が強まりつつあることだ。原料となる養殖魚ティラピアのウロコや皮の玉不足がここにきて伝えられており、供給制限の動きも一部に出ている模様。ティラピアの主要養殖国の一つである中国での動きが背景にあるといわれる。

 コラーゲンペプチドの最終製品を美容向けで販売する場合、魚由来が好まれる傾向が強い。原材料各社は原料調達先を広げる動きを見せているが、手当が上手くいかなければ市場の再成長にブレーキが掛かる可能性が高い。

 なお、ゼラチンの17年度販売量は1万6524㌧。前年度比は1%のマイナスとなったが、食用については1万2076㌧と2.2%増加した。コンビニエンスストア向けの惣菜用途の需要が引き続き堅調に推移したという。

原料大手 増収減益18年3月期決算
 コラーゲンペプチド製造販売大手ニッピ、新田ゼラチンの2018年3月期連結決算が15日までに出揃った。2社ともコラーゲンペプチド関連事業の業績は増収減益。今後については、原料やエネルギーコストの上昇に懸念を示す。

 ニッピが15日に発表した決算短信によると、ゼラチン関連事業(ゼラチン/コラーゲンペプチド)の売上高は前年同期比11.3%増の95億2100万円、営業利益は同3.3%減の11億400万円。国内外ともに好調に推移したが、「製造部門は魚、ブタなどの原料価格上昇の影響を受けて軟調」だった。

 また、化粧品や健康食品の通信販売を行う化粧品関連事業の売上高は15.2%増の40億800万円、営業利益は10.3%増の2億3600万円となった。健康食品「コラーゲン100」の売上が好調に推移した。

 一方、新田ゼラチンが10日に発表した決算短信によると、コラーゲン素材事業(ゼラチン、コラーゲンペプチド、コラーゲンケーシング)の売上高は4.1%増の278億7000万円、営業利益は23.7%減の14億8300万円の増収減益。

 ゼラチン、コラーゲンペプチドともに売上高は増加した。ただ、ゼラチンについて、「原料高の影響を受け利益は減少した」という。コラーゲンペプチドについては、国内をはじめ、美容サプリメントの需要が増加している中国での販売が好調に推移した。


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