健康食品業界団体 産業協議会に将来統合か 日健栄協除く6団体
(2018.6.7)


 乱立傾向が業界内外から課題視されていた健康食品業界団体が、日本健康・栄養食品協会を除いた形で一つにまとまる可能性が出てきた。業界7団体の連合会である健康食品産業協議会が、2023年度を目途とする6団体の統合に向け、動き始めている。

 健康食品産業協議会(木村毅会長=味の素取締役常務執行役員)は5月24日に7団体を交えた総会を開き、日健栄協を除く6団体統合に向けて動き出すことを決議した。総会後に協議会主催で開いた講演会の中で木村会長が明かした。23年度を目途に「新しい枠組みでの活動」を始めたいという。

 木村会長はまた、同26日に日本抗加齢医学会総会の中で行われた機能性表示食品制度に関するシンポジウムに登壇。「数年は掛かるだろうが6団体が一つになる方向で進み始めた」と語った。

 健康食品産業協議会は09年に発足。現在、健康と食品懇話会▽全日本健康自然食品協会▽薬業健康食品研究会▽国際栄養食品協会(AIFN)▽日本栄養評議会(CRNJAPAN)▽サプリメント・エグゼクティブ会議▽日健栄協──の健康食品業界7団体が正会員団体として加盟する形で組織を構成しており、役員は各団体の会長など幹部が務めている。

 健食懇は大手企業中心、全健協は自然食品販売企業中心、CRN JAPANは原材料販売企業や受託製造企業中心などと、同じ健康食品業界団体といっても各団体で色合いが異なる。そのためか、以前から団体統合は課題となっていたものの、話がまとまることはなかった。その背景をある業界団体幹部は「特定の団体が主導していくことに懸念が持たれた」と話す。

 そんな懸念がここにきて払拭されたことで、前述の協議会の総会での決議につながったと言えそうだが、団体統合を望む業界関係者の一部からは、日健栄協を除く形での団体統合に疑問の声も聞こえる。「中途半端。一度解体して一つに再構成するくらいのほうがいい」

 実際、日健栄協は会員企業698社を抱える最大規模の団体。ここが主体となって団体統合に向けて動いたほうが、話は分かりやすいといえる。

 ただ、日健栄協は公益財団法人であるという特色も持つ。そのため協議会の木村会長は、日健栄協には公益法人として消費者に資するための「事業者サポート団体」として機能してもらいつつ、協議会は行政への政策提言などを展開する「ポリシー団体」として機能していくといった、団体としての機能的役割分担を明確にした上での共存を考えているようだ。その考えに各団体とも、一定の理解を見せているとみられる。

 一方、日健栄協を除く6団体の統合体として今後業界団体活動を展開していくにしても、大きな課題として団体運営基盤の確保が横たわる。現状は7団体からの拠出金で運営されており、専任者も1名のみ。その給与にしてもある企業が全額負担しているという。事務所も日健栄協のビル内に置く。

 業界を代表するような業界団体を運営するには数億円規模の資金が必要とされる。そのように資金面でも強固な団体運営基盤を今後どう構築していくのか。今後、強く問われることになる。

     ◇
 5月24日の総会後に開いた講演会で協議会の木村会長は、「食品成分を人々の健康に最大限活用できる」「世界中で健康食品が利用され、健康長寿社会の一翼を担う」ことを目指す姿とし、「日本がグローバルでフロントランナーとなり、世界中で貢献」することを最終目標に置いた協議会の「将来ビジョン」を公表し、その実現に向けた構造強化を今年度からスタートさせるとした。

 構造強化は23年度の6団体統合に向けたもので、今年度はまず、会員数の拡大と要員体制の強化を図るという。

 会員数の拡大にあたっては、現行の枠組みでは存在しない「企業正会員」を募る。会費は事業規模で変える仕組みを設ける。また、その他の関連団体、企業、個人からも賛助会員を募り、バリューチェーン全体で会員を拡充していきたい考えを示した。現在も日本チェーンドラッグストア協会など15組織が賛助会員として加盟している。

 講演で木村会長は、協議会の企業正会員になるおもなメリットとして、協議会の毎月の活動状況に関する情報提供、分科会活動への参加権、自社製品をPRする場の提供──の3つを挙げた。どの健康食品業界団体にも所属していない健康食品関連企業が依然多い。そうした企業も正会員として迎え入れたい考えのようだ。

 大手企業も多い通信販売業界やドラッグストア業界など、健康食品関連の他業界からも多くの正会員企業を集められるかどうかが、構造強化に向けた鍵になる。


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