東京都 消費者間取引サイトの監視強化 薬機法抵触の出品排除へ(2018.7.12)


 消費者間(CtoC)で商品取引できるフリーマーケットサイトやオークションサイトについて、東京都が医薬品医療機器等法(薬機法)に抵触する出品の監視強化に乗り出した。クラシファイドサイトも対象。取引の活発化に伴い、医薬品の無許可販売をはじめ、化粧品や健康食品など食品について、医薬品のような効能効果を標ぼうする表示が増えていることに対応する。サイト運営会社に対し、自主審査の強化も求める。

 都が3日、発表した。監視強化の狙いは、サイト運営会社による自主審査の質の向上や効率化を図ると同時に、出品者の遵法意識を高め、薬機法に抵触する出品を防止すること。個人的に入手した医薬品を消費者が許可なく販売する事例も目立つため、健康被害を未然に防ぐ目的もある。

 都と、ヤフーや楽天などサイト運営会社6社は、6月27日までに「連絡会」を立ち上げ、同日1回目の会合を開いた。連絡会にはオブザーバーとして厚生労働省医薬・生活衛生局、総務省総合通信基盤局、経済産業省商務情報政策局も参画。連絡会は今後も定期的に開催し、監視指導結果などの情報を共有しつつ、サイト運営会社の自主審査の向上を促す。

 連絡会に参加することになったサイト運営会社は、中古品などの無料掲示板「ジモティ」を運営するジモティ▽フリマサイト「SHOPPIES」運営のStardustCommunications▽同前「メルカリ」運営のメルカリ▽オークションサイト「モバオク!」運営のモバオク▽同前「ヤフオク!」運営のヤフー▽フリマサイト「ラクマ」を運営する楽天──の6社。国内の主要消費者間取引サイトの運営会社が網羅された格好だ。

 一方、都としても、各サイトを随時監視し、薬機法に抵触する出品を発見した場合は、直ちに運営企業へ削除を求め、迅速に排除する。また、毎月実施する一斉パトロールで発見、措置した品目などの情報を、連絡会に参画する6社に提供。加えて、各社の自主審査で不適正な出品が発見された場合には、各社に適正に対応させる。

 近年では特にフリマサイト市場が急成長している。経産省の調べによると、フリマアプリ市場規模は2017年に4835億円(前年度比58.3%増)と、フリマアプリが登場した12年から僅か5年で5000億円に迫る規模にまで拡大した。また、同じ年のネットオークション市場規模については、CtoC部分のみで3569億円に上るという。

消費者に見せかけ業者出品も
 東京都はインターネットで販売される商品の薬機法違反などの監視について、これまでにネット関連企業16社の協力を得て、ネット上のショッピングモールなどの監視指導進めてきた。その中で、新たな監視指導対象として、消費者間取引サイトが加わったことになる。都薬務課では、監視強化の期限は「特に定めていない」としており、長期間にわたり厳しい視線が注がれそうだ。

 フリマサイトやオークションサイトなど、消費者間取引サイトにおいて薬機法上問題になっているのは、まず、医薬品の出品。薬機法が禁じる医薬品の「無許可販売」にあたる。

 また、化粧品のほか健康食品など食品については、医薬品と誤認されるような効能効果表示が問題となる。健康食品については「『アトピーが治った』など個人的体験談を表示したものが目立つ」(都薬務課監視指導担当)と言い、痩身効果や下剤的効能効果を謳う場合も多いと指摘している。

 「インターネットオークションにおける無承認無許可医薬品の取引実態」と題した調査結果を昨年3月の日本薬学会年会で発表した慶應義塾大学薬学部の大谷壽一教授らの調べによると、一昨年6月から7月にかけて「ヤフオク!」に出品されていた、健康食品など食品とみられる商品について発見された明らかに薬機法違反(無承認無許可医薬品)と判断できる表示(商品説明文など)は、600件近くに上った。中には、がんに対する効能効果を標ぼうするものも見受けられたという。

 厄介なのは、このような薬機法違反の疑われる出品を行っているのは消費者が大半とみられるため、そもそも違法性の認識が低いと考えられる点だ。サイト運営社が出品ルールの周知徹底を図る必要があるといえそうだ。一方で、都薬務課では「個人による出品と見せかけて業者が出品している可能性が疑われるものもみられる」(同)と指摘しており、悪質な業者が意図的に利用している可能性もある。

 今回の監視強化の最大の狙いは薬機法に抵触する出品の迅速な削除と、そうした出品の防止。ただ、出品者の所在地などが判明すれば、薬機法違反として所管する自治体などに通報する法的対応も取る方針だ。


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