HMB 清涼飲料で初の届出 ミクシィ子会社が3品(2018.7.26)


 HMBを機能性関与成分にした清涼飲料水の機能性表示食品の届出情報が11日、届出データベースに公開された。HMBはこれまでに20件ほどの届出が受理されているが、清涼飲料水は初。届け出たのは老舗SNS「Mixi」の運営や、スマートフォン向けゲームアプリ「モンスターストライク」で知られるミクシィの子会社で、同社として初の届出となる。販売開始後の動きが注目されそうだ。

運動プログラム併用摂取提案か
 届け出たのは、ミクシィが昨年5月に設立したグループ会社「スマートヘルス」(東京都渋谷区、荻野泰弘社長)。ミクシィは昨年末、同社の設立を通じてヘルスケア事業に参入すると発表していた。

 スマートヘルスが届け出たのは、HMBを機能性関与成分にした、1本あたり100㍉㍑の清涼飲料水3品。レモン味、ブルーベリー味など風味がそれぞれ異なるが、ヘルスクレームは同じ。「筋肉量や筋力の低下を抑制する働きがあり、自立した日常生活を送る上で必要な、筋肉量や筋力の維持に役立つ機能があることが報告されています」と表示する。

 ミクシィの当時の発表によると、スマートヘルスは、予防理学療法と栄養学に基づく運動プログラムの提供などを展開するヘルスケア事業会社。ミクシィがSNS事業などで培った「コミュニケーション設計のノウハウ」(同社)も活用しながら、社会保障費の削減につながる介護予防を主軸に置いたヘルスケア業態を目指す考えを明らかにしている。

 また、ミクシィによると、スマートヘルスは今年4月、京都大学大学院医学研究科に産学共同講座を設置した。同科の臨床バイオメカニクス研究室で理学療法に基づく運動プログラムを開発し、同プログラムをスマートヘルスが運営する施設で実施し、実施者データを収集。そのうえで、同プログラムが障害予防に与える効果を検証するとしている。

 届け出た機能性表示食品の販売チャネルは不明だが、届け出たヘルスクレームを踏まえれば、今後提供する運動プログラムとの併用摂取を会員などに提案していく可能性もありそうだ。

飲料に配合どうやって?
 サプリメントなどに配合されるHMBには、清涼飲料水用途に適した遊離酸型HMBも開発されており、日本でも一部流通している。

 一方で、スマートヘルスが今回届け出た清涼飲料水3品に配合されるのは、届出書類によると、サプリメントなどに一般的に配合されているHMBカルシウム(Ca)。配合量は1本100㍉㍑あたりHMBとして1.2㌘とされており、サプリメント形状のHMB機能性表示食品と変わらない。

 HMBCaを清涼飲料水に配合するのは不可能ではないものの、美味しさが損なわれたり、風味改善のため酸味料を一緒に配合すると沈殿物が生じたりといった課題があるとされる。そのため、HMBCaを配合した清涼飲料水は日本ではあまり販売されていない。

 ただ、そうした課題を解決したとする特許(第6345975号)が今年6月に登録されている。
 特許公報によると、出願人は、HMBCaの製造販売を手掛ける小林香料。この特許は、HMBと酸味料を配合した飲料について、沈殿物が発生することなく保存安定性に優れた酸性飲料を提供するための発明に関るものだという。スマートヘルスは今回、同特許を活用した届出を行ったと見て間違いない。


Clip to Evernote

ページトップ