アガリクスでQOL改善 帝京大・大野氏ら(2014.1.23)


 ガン患者を対象としたアガリクス・ブラゼイ・ムリル摂取によるQOL改善効果の研究成果が、米国の補完代替医療の学術誌「complementary therpies in medicine」に論文掲載された。同研究は、厚生労働省がん研究助成金を用いた公的研究「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」として、四国がんセンター、金沢大学付属病院が実施、報告書としてまとめたもの。

 試験では、ガン治療後経過観察中の患者に対し、㈱エス・エス・アイ製のアガリクス顆粒製品を1日に1、2、3袋(1袋1.8㌘)の3群に分け6カ月間飲用させ、QOL評価スケール「SF‐8」を用いて飲用前と飲用後のQOLスコアを比較評価した。

 その結果、男性の患者では痛みや機能など肉体的な面で改善が多く見られたのに対し、女性では精神的な面での改善が多かった。また年齢的な差異では、65歳以下で精神面での改善が多く確認され、それ以上の年代では肉体的な改善が多く見られた。摂取量の比較では2袋摂取群で精神的・肉体的な改善が他の2群と比較し、よい改善効果が確認された。

 同研究に携わった帝京大医学部の大野智特任講師は、同試験においてアレルギー症状を起こした患者はいたが、「食品でたんぱく質を含んでいる以上、アレルギーを発症しないものは無い」とし、9例の腹部満腹感や下痢については、「キノコ特有の食物繊維の働きによるもの」と考え、安全性については厚生労働省が19年に通知した結果を踏襲するものとして「従来の通りの安全性を支持する結果」を得たとしている。

Clip to Evernote

ページトップ